確定申告書を見直していたら
2020年の確定申告で売上高の間違いがあることに気づき修正申告をしてきました。
誤りを見つけたときは「2020年は訂正申告を2回もした上にさらに修正申告か・・・」と落ち込みましたが、
一次支援金の事前確認までに時間の猶予がありませんでしたので
すぐに修正申告のやり方を調べ申告書を作成し、翌日に税務署に直接提出&納付してきました。
修正申告で一番気になるのは納付が遅れたことによる延滞税だと思います。
ちゃんと確定申告ができなかったペナルティだから
きっといっぱいお金取られちゃうんじゃないか・・・!
そんな心配をしてしまいますよね。
税理士に頼まずにご自身で確定申告をしている方は
売上が一千万円以下が大半だと思いますので
その場合の納付額の間違いも多くても百万円程度だと思います。
もし2020年の修正申告で百万円の追加納付があったとして
修正申告書を2021年6月10日に出した場合
延滞税額は3,800円です。
思っていたほど大きな金額ではないですよね。
修正申告は実際にやってみるとそんなに難しくはないのですが
確定申告と比べて情報が少なかったり
たいていの会計ソフトでは修正申告書を最後まで作成できなかったりと
スムーズに終えるためには何個かポイントがありましたので本記事でまとめました。
その他にも
- 延滞税の計算方法
- 修正申告による住民税や国民健康保険料への影響
- 税務署での提出&納付の仕方
についても解説していますよ。
確定申告書の内容が間違っていた〜!どうしよ〜〜〜!!
修正申告ってどうすればいいの?提出したら税務署の人から怒りの電話がかかってきたりするのかな??
と焦ったり悩んだりせずに
すぐに修正申告の対応をしてしまった方が絶対良いですので
この記事を参考に修正申告をして不安解消・スッキリした気分になってくださいね。
修正申告書は会計ソフトで出した申告書B第一表と国税庁のHPからダウンロードした第五表(修正申告書・別表)に手書きが一番早い
- 修正申告には申告書B第一表と第五表の2枚の提出が必要です。
- 第一表は確定申告書第一表と同じ形式です。タイトルや申告区分は修正する必要があります。
- 第五表は確定申告で提出した内容を転記し、修正申告と確定申告の内容の違いとその理由を記載します。
- 修正申告書の作成は会計ソフトによっては対応していない場合や第一表しか作成できない場合があります。
- 第五表の作成は国税庁のHPからフォーマットをダウンロードして印刷し、確定申告書の内容を手書きで転写するのが一番早い方法です。
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーから修正申告書を作成することは可能ですが、確定申告書を同コーナーで作成して保存データがある方以外は利用をオススメしません(入力が大変なため)。
- 延滞税は修正申告書の提出が遅れるほど高額になりますので、確定申告の誤りに気づいたら早めに修正申告を行いましょう。
- 延滞税は修正申告で納付する金額と一緒に納付する必要があります。納付は修正申告書を提出する日までに行う必要があります。
修正申告とは
毎年2月から3月の間に提出する前年分の確定申告書の内容に誤りがあった場合、
確定申告書の提出期限後に提出するのが修正申告です。
修正申告書の提出とともに足りない分の税金の納付を行い、
遅れて納付したペナルティの延滞税も同時に支払います。
税務署から確定申告書の内容に指摘があって修正申告を行う場合は
過少申告加算税というペナルティがさらに追加される可能性がありますが、
自分で誤りに気づき修正申告を行った場合は過少申告加算税は追加されません。
もし確定申告で税金を払いすぎていて税金を戻して欲しい場合、
更正の請求という別の手続きになります。
「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」という書類を作成して税務署に提出します。
ちなみに確定申告書の提出期限前ならば訂正申告という別の名前の手続きになり、
訂正申告は特にペナルティはなく何度でも出し直すことが可能です。
まとめますと
- 確定申告の提出期限前:訂正申告
- 確定申告の提出期限後・税金を追加で払う:修正申告(今回のケース)
- 確定申告の提出期限後・払いすぎた税金を戻してもらう:更正の請求
税の専門家ではないわたしたちにとっては似たような名称が多くややこしいですが
正しい名称が使えるようになると税務署の職員さんもスムーズに対応できますので
できるだけ正しい名称を覚えちゃいましょう。
訂正申告についてはこちらの記事をご参照ください。
修正申告書の作り方
いざ修正申告!となったらまず作るのは修正申告書です。
やり方は大きく分けて2つです。
- 会計ソフトから修正申告書第一表を出力し、第五表のフォーマットを国税庁HPから入手し印刷、手書きする
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーで修正申告書を作成する
わたしのオススメは1つ目です。
わたしが修正申告書を実際に作った時は2つ目の確定申告書作成コーナーから作ったのですが
修正申告には不要な情報を入力する必要が多くあり、ちょっと大変でしたのであまりオススメしません。
会計ソフトから修正申告書第一表を出力し、第五表のテンプレートを印刷し手書きする
修正申告は修正申告書第一表と第五表の2枚の提出が必要です。
- 第一表:確定申告書第一表の内容と同じ。確定申告書第一表を出力してタイトルを「修正申告書B」に修正し、申請区分「修正」に○をつければOK。
- 第五表:確定申告書第一表から「収入金額等」の項目がなくなり、修正申告で増加する税額と修正申告する理由を記載する欄が追加されている。提出済みの確定申告書第一表の内容を転記すればOK。
第一表の作成
一般的な会計ソフト(MoneyForward クラウド確定申告、freee、やよいの青色申告)では
修正申告書第一表のみ出力できるか、そもそも修正申告に対応していないようです。
ただ、第一表は普通の確定申告書からタイトルを修正して申請区分に○をつけるだけなので
もし使用している会計ソフトが修正申告に対応していなくても
正しい内容の仕訳を入れて確定申告書を出力し、第一表のみ紙に印刷して上記の修正をすればOKです。
年度締めをした過去年度の仕訳を修正できない会計ソフトもあるようなので
その場合は2つ目の方法の国税庁の確定申告書等作成コーナーから作成する方法で対応することになります。
もしくは手書きで第一表作成。(フォーマットは下の第五表のフォーマットと同じページにあります)
第五表の作成
第五表は自力で作成する必要があります。
フォーマットは下記にあるのでダウンロードして印刷しましょう。
国税庁 - Q27 確定申告の内容が間違っていた場合、どのような手続をすればよいのでしょうか。
次は印刷した紙に提出済みの確定申告書第一表の内容を転記していきますが
第五表は最初の項目が「総合課税の所得金額等」で
第一表の最初の項目の「収入金額等」と異なる点が注意が必要です。
第一表の「所得金額等」の内容から転記していきましょう。
「修正により増額する税額等」の欄では
60番は計算した結果をそのまま入れますが、
61番は60番の100円未満を切り捨てた金額を記載します。
61番が修正申告で納付する税金の額です。
修正申告によって異動した事項については該当する箇所のみ記載します。
修正申告書上のどの項目か、勘定科目名、金額、理由を記載すればOKです。
不安な場合はインターネットで記載例を探すと良いと思います。
国税庁の確定申告書等作成コーナーで修正申告書を作成する
2つ目の方法は国税庁の確定申告書等作成コーナーから作成する方法です。
こちらでは第一表と第五表を同時に作成することが可能です。
確定申告書を確定申告書等作成コーナーで作成した方や
第五表を手書きで作成したときの計算誤りが不安な方はこちらから作成すると良いと思います。
確定申告書は会計ソフトで作成していて修正申告書のみこちらのコーナーで作成する場合は
確定申告書の第二表に相当する内容、
保険料控除やふるさと納税の寄付金控除の内容を入力する必要があるため
確定申告で入力したそれらの内容を再度打ち直す必要があるのが手間になります。
ただ、第二表に相当する内容は修正申告で税務署に提出する必要がないため
金額さえ合っていればその他の内容は多少間違っていても問題ありません。
実際の手順を案内しますね。
まずは下記リンクから確定申告書等作成コーナーにアクセスします。
画面を下に行くと「提出した申請書に誤りがあった場合」という項目がありますので
そこから修正申告書が作成できます。
あとは画面の指示に従って入力していくのですが、
確定申告書作成の時より全体的に説明が不足している感があるので少し戸惑うかもしれません。
入力が完了すると第一表と第五表が出力できます。
第一表と第五表と一緒に「修正申告入力情報」という
確定申告書第二表に相当する内容の紙が作成されるのですが、
こちらは税務署への提出が不要です。
(用紙の右端に「この用紙は提出する必要がありません」と記載されています)
わたしは本当に不要なのかわからず不安だったので
税務署の窓口で修正申告書(第一表と第五表)と一緒にソッと渡してみましたが
「こちらはいらないので持ち帰られますか?」と返却されました。
修正申告書の送付方法
修正申告書は確定申告書と同じく
- e-Tax
- 郵送
- 税務署の受付に持参
- 税務署の時間外収受箱へ投函
のいずれかの方法で提出します。
確定申告のとき、わたしはMoneyForward クラウド確定申告のスマホからe-Taxする方法を使用したのですが
修正申告のe-TaxはMoneyForward クラウド確定申告で対応していなかったのと
一時支援金申請のため収受日付印が押された修正申告書が急ぎ必要だったので
税務署の受付に持参する方法を選択しました。
延滞税の計算と納付方法について
延滞税の計算方法
修正申告書の第五表で追加で納付する金額は計算できましたが、
納付が遅れたことによるペナルティの延滞税については別途計算する必要があります。
延滞税の計算方法については国税庁のHPからダウンロードできる修正申告書第五表のフォーマットで
上の画像のように説明があるのですが、多くの方は「???」という感じだと思いますので
以下の国税庁HPから計算が可能です。便利ですね。
延滞税は修正申告で納付する額(本税と言います)と一緒に修正申告書を提出する日までに納める必要があります。
「本税は修正申告時に納付するが、延滞税は後ほど税務署が計算して通知書と納付書が送られてくる」という情報を
ネットで見かけたのですがたぶん古い情報ではないかと思います。
国税庁の発表している現在の情報を見る限り間違いのようですのでご注意ください。
納付方法
修正申告で追加納付する額(本税)と延滞税は以下のいずれかの方法で納付します。
いずれの方法でも納付
- コンビニQR納付
- 電子納税
- クレジットカード納付
- 窓口納付
各納付についての詳細は国税庁 - 国税の納付手続 をご参照ください。
修正申告による住民税や国民健康保険料への影響について
住民税や国民健康保険料は確定申告の内容を元に計算されていますので
修正申告で所得が変更になれば住民税や国民健康保険料ももちろん変わります。
税務署に提出した修正申告の情報が市役所等にデータが渡り、
住民税や国民健康保険料の追加で支払いが必要な場合は納付書が送付されてきます。
【実録】税務署に行って提出&納付
最後にわたしが修正申告書を税務署に提出し、納付を一緒に行った実録を記載しますね。
税務署ってこんな雰囲気なんだというのを感じていただければと思います。
税務署に修正申告持って行ったら怒られたり邪険に扱われたりするかと恐怖していたのですが
結論、全然そんなことはなく税務署の署員さんはむしろ丁寧で親切でした。
平日の朝9時半くらいに所轄の税務署を訪問しました。
税務署の1階には総合案内があり銀行にあるような受付票を発券する機械で
受付ナンバーを発券し、用意されていた椅子に座って待ちました。
待ち人数は5人くらいで、待っている人の他に署員の方とマンツーマンで何か書類を作成したり
相談をしている方たちがいました。
10分くらい待つと自分の番になったので総合受付に行き、
修正申告書を受付の人に渡すと、その場で文書収受印を押してくれました。
納付は別の人がやってくれるそうなので別の番号札を受け取ってまた待ちます(10分くらい)。
番号が呼ばれたら窓口で現金で支払ってその場で領収証書を出してくれるので受け取って完了です。
拍子抜けするくらいスムーズに終わりました。
参考になる動画
わたしが確定申告書の間違いを見つけてどうしよ〜!ってなっていた時に
見つけて参考になった動画がこちらです。
ベストセラーの「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者:会計士 山田真哉さんのYouTubeです。
山田真哉さんのYouTubeチャンネルでは個人事業主に有益なお金関連の情報を発信されており
わたしもチャンネル登録させていただいています。
まとめ
修正申告は確定申告書が作成できる方ならそんなに難しくないので、
確定申告の間違いを見つけたらできるだけ早く修正申告をしましょう!
コロナ関連の給付金や支援金の申請をお考えの方は
確定申告書の収受印押印済み控えやe-Taxのデータ受信画面が必要ですので、
提出した証拠になる証跡を必ず残すようにしてくださいね。