コロナの影響で同人誌即売会の中止や延期が相次ぎ
同人誌以外で絵描きとして活躍できる場所を探している方が多くいらっしゃるようです。
今回はそんな方に向けて、絵描きが活躍できて対価として報酬がもらえるWEBサービスを8つ紹介します。
また、どのサービスが自分に合っているかを選ぶための基準についても解説しています。
即売会に参加できず無気力な毎日を送っている絵描きの皆さん、
ゆううつな日々を自分のスキルアップや新たなファンを獲得できる日々に変えましょう!
[mokuji] [ads]8つのサービスそれぞれ特徴や利用層が異なるため自分が活躍できる場所選びは重要です。
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pixiv FANBOX(ピクシブファンボックス)
特徴
日本最大級のイラストSNS pixivが運営するファンクラブ運営サービスです。
利用者800万人のうち3割が外国からの利用とのこと。
クリエイターさんも日本国内のみならず海外の絵描きさんも多く登録されています。
利用層
今回紹介する他のサービスは男性向け・女性向け、全年齢・成人向けと
利用者がどこかの層にかたよっている場合が多いのですが、
pixiv FANBOXはまんべんなくいろいろなタイプのクリエイターさんが参加されています。
成人向けの扱い
pixiv FANBOXはクリエイターが成人向けのコンテンツを提供することに対して禁止していません。
報酬
ファンクラブの月額会費はクリエイター側が月額100円から10,000円の範囲で設定でき、
たとえば500円コースならば限定記事の閲覧だけだけれど
1,000円コースなら絵のpsdファイルがダウンロード可能ですよ、という風に
金額ごとに提供するメニューを分けることが可能です。
メリット・デメリット
支援者はそのクリエイターの活動全体に対してファンクラブ会費を支払う形で応援するという形式なので
クリエイターは会費の対価として支援者に何かを渡さなければいけないという強制力がなく
自由に自分の創作活動に打ち込むことができるのがメリットです。
デメリットはそのクリエイターにある程度知名度がないと支援者がつきにくいことでしょうか。
pixiv FANBOX公式ページ
Fantia(ファンティア)
特徴
同人誌委託大手のとらのあなが運営するファンクラブ運営サービスです。
pixiv FANBOXと全体的に仕組みは似ていますが
クリエイターや作品のランキングがあるのが特徴で、
クリエイターにとってはFantiaのランキング上位に入ることがモチベーションの維持に役立つかもしれません。
利用層
利用者は男性、特に成人向けが圧倒的に多く、女性の利用者はあまり目立ちません。
成人向けの扱い
Fantiaはクリエイターが成人向けのコンテンツを提供することに対して禁止していません。
報酬
ファンクラブの月額会費の範囲はクリエイター側が月額100円から10,000円の範囲で決めることができます。
入会月より前の過去の有料コンテンツに関しては追加費用を支払わないと閲覧ができないようです。
メリット・デメリット
メリットはpixiv FANBOX同様、支援者からの報酬に対して具体的に何かを返さないといけないという
強制力はないためある程度自由に創作活動ができること、
デメリットはランキングがあるためクリエイター間の競争が激く、
ある程度の作品の質を保ちながら頻繁に更新をしないと人気が維持できないため
人によってはツライと感じるかもしれません。
Fantia公式ページ
Patreon(パトレオン)
特徴
Patreon(パトレオン)はアメリカの会社が運営する世界規模のファンクラブ運営サービスです。
イラストやマンガ以外にも動画クリエイターやライターなどの多彩なクリエイターが
Patreonを利用しています。
利用層
利用者・クリエイターともに世界各国にいますが、日本人はあまり見かけません。
理由は英語の読み書きがある程度できないとPatreonで活動するのが難しいことと
日本で人気のあるイラストやマンガの傾向と世界での人気が異なるからのようです。
逆に英語が得意で高齢化・人口減により縮小していく日本の市場を抜け出して世界進出を目指す方は
Patreonは合っていると思います。
成人向けの扱い
Patreonで成人向けコンテンツを発信することは可能ですが
センシティブに対する基準は日本と世界で大きく異なる点に注意が必要です。
具体的には未成年に対するものは完全NG、性暴力と判断される可能性があるものも禁止されています。
その他にもジェンダー・国家・宗教・民族に対する差別的な表現についても気をつける必要があります。
報酬
pixiv FANBOXやFantiaのような月額のファンクラブ運営もできますが、
Patreon上のファンクラブページへの投稿数に応じて報酬が支払われる形態を選ぶことも可能です。
メリット・デメリット
Patreonについてちょっと敷居が高く感じられるかもしれませんが
世界中のいろいろな人と交流ができ、世界で自分の作品が認められる可能性があるので
メリットが大きいサービスだと思います。
わたしも将来的にはPatreonを使用したいなと思っています。
Patreon公式ページ
skeb(スケブ)
特徴
skebはイラストのリクエスト依頼に応えることで報酬をもらうサービスです。
同人誌即売会では昔から「スケブ」と呼ばれる
作家さんにスケッチブックを渡して好きなキャラの絵などを描いてもらう文化がありましたが
それをオンラインで作家に対して報酬を支払って描いてもらうことをサービス化したのがskebです。
上記で説明したようなファンクラブ運営サービスとは異なり
依頼ごとの単発のサービスになること、また依頼者からの依頼に基づいて絵を描くことになるのが特徴です。
クリエイター側で受けたくないリクエストは拒否することも可能です。
依頼に基づいて絵を描くサービスは他にも下で解説するSKIMA(スキマ)やCoconala(ココナラ)がありますが
skebの大きな特徴が依頼者とクリエイターの間でのやりとりは一往復のみという点です。
SKIMAなどのサービスでたびたび問題になるのが、
依頼者が当初の依頼とは異なる要求をしてきたり、何度も絵の修正をさせることで
クリエイター側の負担が大きくなってしまうことでした。
skebは依頼者はイラストの仕様をクリエイターに一度だけ送り、
クリエイターはその仕様を元に絵を描いて依頼者に納品するとその取引は完了となり
クリエイターに報酬が支払われる仕組みになっています。
また、skebにはファンアートを安心して楽しむために二次創作公認プログラムという仕組みがあり、
skebに二次創作公認プログラム登録作品として登録された作品は
skeb上でその作品の二次創作絵の報酬のやりとりがされた場合、
skebの運営費の中から登録作品の著作権者に対して報酬が支払われる仕組みがあります。
利用層
利用者は男性が多く、成人向けが大半です。
成人向けの扱い
skebでセンシティブな絵に対する扱いはNSFW(Not Safe For Work、閲覧注意)と呼称され、
該当にポスターとして貼れるかどうかがNSFWの判断基準となっています。
NSFWと判断された絵の性描写に対して適切な修正がされていないと
即時アカウント凍結などの措置が取られるようです。
報酬
skebの1依頼に対する報酬はクリエイター側がリクエストの内容に応じ決めることは可能で、
だいたい15,000円程度が多いようです。
メリット・デメリット
skebのメリットとして、依頼を元に描いた絵の著作権はクリエイター側に必ず残ることが挙げられます。
SKIMAなどのサービスでは契約によっては著作権を相手に委譲する場合がありますが
skebは必ずクリエイター側に著作権が残るので、同人誌に掲載したりSNSで発表したりすることが可能です。
デメリットは依頼側は描いてもらった絵は原則個人観賞用にしか使用できないため
サービス利用のハードルが高い点です。
skeb公式ページ
ニコニコ静画
特徴
ニコニコ静画はニコニコ動画のサービスの中のイラスト投稿サービスです。
利用層
ニコニコ静画の利用者は男性が多いようです。
成人向けの扱い
ニコニコ静画はニコニコ活動ガイドラインに従うため、
公序良俗に反する内容(性的なもの、暴力的なものなど)は投稿NGです。
報酬
ニコニコにはクリエイター奨励プログラムというものがあり、
このプログラムに登録して投稿した作品には作品の人気度や派生作品の数によって
ニコニコから報酬が支払われるという仕組みです。
派生作品の数というのは、たとえばあなたがオリジナルのマンガをニコニコ静画に投稿して
そのマンガに人気が出てマンガの二次創作のイラストなどがニコニコに投稿された場合の数を示しています。
そのイラストやマンガの閲覧数で収益額が決まるのではない点がおもしろいですよね。
メリット・デメリット
投稿した作品がブームになった場合は派生作品の増加によって報酬が増えていくため、
ブーム以降は何もしなくてもお金が入ってくる仕組みが作れるというメリットがあります。
デメリットはニコニコのサービス自体の利用者が少なくなっていることです。
ニコニコ静画公式ページ
SKIMA(スキマ)
特徴
クリエイターが自分が受けたい仕事の内容をSKIMAに掲載し、
依頼者が仕事を依頼し作品を納品して報酬を受け取るという、
いわゆるスキルマーケットに位置するサービスです。
利用層
女性の利用者が多い印象です。
SKIMAと同様のサービスにcoconalaがありますが、SKIMAの方が利用者のオタク率が高いようです。
成人向けの扱い
SKIMAに掲載するサンプルに卑猥な画像の使用は禁止されていますが
依頼内容に成人向けが含まれていることは問題ありません。
報酬
依頼内容によります。
SNSのアイコン作成なら1,000円〜5,000円程度、1枚絵だと5,000円〜20,000円程度のようです。
メリット・デメリット
スキルマーケットサービスの中では利用料が比較的安めなのがメリットです。
また商業的な依頼を受ける可能性があることがプロを目指す人にとっては嬉しいのではないでしょうか。
デメリットはサービス自体の知名度があまりないため利用者が少ないことと、
依頼者と密に連絡を取る必要があるためやりとりに疲れてしまう人もいるようです。
お題に沿ったイラストを描くという依頼を受けたい場合は
skebの方がクリエイターにとっては心理的負担が少なく済むかもしれません。
SKIMA公式ページ
Coconala(ココナラ)
特徴
SKIMAと同じスキルマーケットサービスです。
イラスト以外にもさまざまなスキルを提供する人、求めている人が集まります。
利用層
一般向けのサービスですのでオタクはあまり多くありません。
雑誌の挿絵やWEBデザインで使用するイラストなど、一般向けする絵柄の人に適しているサービスです。
成人向けの扱い
規約などを確認しましたが成人向けについての記載はないため
依頼内容に成人向けが含まれていてもOKのようですが
Coconalaで成人向けの依頼をほとんど見かけないので、
成人向けの依頼を受けたい場合はSKIMAやskebなどのサービスを利用した方が良いと思われます。
報酬
依頼内容によります。
SKIMAよりも全体的に単価が高いという意見もありますが、単価が高い要因のひとつに
Coconalaのサービス利用手数料の高さがあるようです。
メリット・デメリット
スキルマーケットサービスとしては日本国内で非常に有名なので、
利用者が多く案件が多いのが大きなメリットです。
デメリットとしてはサービスの知名度の高さゆえの競合の多さとサービス利用料の高さがあげられます。
Coconalaで案件を受けた場合、クリエイター側が報酬の20%をCoconalaに支払います。
手数料が高い分、それだけサービスが充実しているといえるかもしれません。
Coconala公式ページ
note(ノート)
特徴
noteは文章や画像、音声、動画が投稿できるマルチメディアプラットフォームです。
noteには有料記事や有料マガジン、定期購読マガジン、サポート機能(いわゆる投げ銭)の機能があり
これらを使用すれば収益化できます。
利用層
一般の利用者の方が多いため、バリバリのオタク向けのコンテンツは好まれません。
エッセイマンガやオシャレなイラストを描く方に向いています。
成人向けの扱い
規約に成人向けはNGの記載がありますので、成人向けを描きたい場合は別サービスを利用しましょう。
報酬
有料記事、有料マガジン、定期購読マガジン:100円〜10,000円(有料会員だと上限が50,000円までUP)
サポート機能:100円〜10,000円
メリット・デメリット
メリットは流行のサービスのため利用者が多く見てもらえる機会が豊富なことです。
2020/6時点で月1回以上noteを閲覧したユーザー数は6300万人だそうですが、
これは日本人口の半分がnoteを見ている計算です。
(実際は外国ユーザーや一人で複数回カウントされているケースもあると思いますが)
デメリットは手数料が非常に高いことです。
noteのサービスを利用している手数料として10~20%、決済手数料として5〜15%が売上から引かれます。
note公式ページ
自分に合ったサービスの選び方
8サービス紹介しましたが、それぞれ特徴がありどのサービスを利用するか迷う人もいると思います。
そんな場合は以下の基準で選ぶと良いと思いますよ。
自由に絵を描きたいか、依頼によって描きたいか
アーティスト気質で自分の好きな絵を好きな時に描きたい場合はpixiv FANBOXやFantia、Patreonなどの
ファンクラブ運営サービスが合っています。
人からの依頼を元にいろいろなシチュエーションの絵を描きたい人や
将来的にプロのイラストレーターや漫画家を目指していてビジネス的なやりとりや交渉を体験したい人は
skebやSKIMA、Coconalaと相性が良いです。
成人向けはOKかNGか
成人向けは需要が高く人気作家になれば大きく稼ぐことができますので描きたいという方も多いと思いますが、
成人向けが描けるサービスは限られています。
ニコニコ静画やnoteのように規約で成人向けがNGなサービスや
サービス全体の雰囲気として成人向けを歓迎していないサービスがありますので
活躍する場は慎重に選んだ方が良いでしょう。
利用者層は自分の作風や絵柄に合っているか
自分の絵のターゲット層にあったサービスでないと活躍することは難しいため
戦う場所は上手に選びましょう。
男性向けならFantiaやskeb、ニコニコ静画、女性向けならpixiv FANBOXやSKIMAがオススメです。
日本国外での活躍も視野に入れるならばPatreonです。
短期間で大きく稼ぐか、長く小さく稼ぐか
どれくらいの期間でどれくらいの金額を稼ぎたいかによって選ぶサービスが変わります。
短い期間でまとまった金額が稼ぎたいならばSKIMAやCoconalaで自分から案件にどんどん応募しましょう。
(スキルマーケットサービスではクリエイターにサービスを依頼する以外に案件に対してクリエイターから応募する方法もあります)
ファンクラブ運営サービスやニコニコ静画は一気に大きく稼ぐことは難しいですが、
クリエイターの人気度に応じて少しずつ報酬が増えていきます。
二次創作絵を使用して稼ぐのはOK/NG?
たびたびネット上で議論になるのが
pixiv FANBOXやFantiaなどで二次創作絵を公開したり、
skebなどで二次創作絵の依頼を受けて描き報酬をもらうのは営利目的の活動に当たるため
各社が設定している二次創作ガイドラインに抵触するのではないかどうかという論点です。
OK/NGに対していろいろな意見があるが、限りなくグレー
pixiv FANBOXやFantiaはクリエイターに対して金銭的支援をしているのであって、
そのクリエイターの作品に対して課金しているわけではないので
クリエイターが二次創作絵をアップしていても問題ないという意見もありますが、
この論理が明確にOKとなったケースはないと思います。
同人誌の場合と同様、権利者の目にあまる場合は訴えられる可能性はある
二次創作同人誌は著作権者にとって作品の宣伝効果などのメリットがあるため
同人業界を公式は見て見ぬ振りをしているのが同人業界の現状ですが、
その作品のイメージダウンになっていたり公式の利益を奪っている場合などは
著作権者に同人作家が訴えられる可能性はあります。
今回紹介した各サービスで二次創作物で金銭的利益を得る場合は
同人誌の場合と同様、
著作権者にとって権利侵害・不利益になるような場合は訴えられるかもしれないということは
心得ておいた方がよいと思います。
二次創作絵を使用する場合は個々人の判断と責任のもとで行うこと
本記事で紹介したサービスにおいて二次創作絵を使用する場合は
各作品の二次創作ガイドラインを確認した上で
自己の判断と責任のもとで絵をアップロードするようにしてください。
まとめ
即売会がない期間を虚無期間にしてしまうのはもったいないです!
ぜひ今回紹介したサービスを利用して
さらなるスキルアップやフォロワー獲得に勤しんで充実した日々にしてくださいね。