絵描きの机周り

お絵描き機材やソフト、その他のお絵描き時に欠かせないものを紹介しています。本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

同人誌の買い専だったときは特に意識しなかった同人誌のサイズ。

いざ作り手になるとどのサイズが良いのか悩んでしまう人もいるようです。


まず同人誌のサイズはコレじゃなきゃダメというルールはありません。

イベントの主催団体や同人誌の委託業者から出されているルールもないです。

あなたが好きなサイズで同人誌を作って問題ないのですがサイズ選びの指針はあります。


本記事でははじめて同人誌を作ろうとしている方に向けて

同人誌のサイズをどのように決めれば良いのかを解説しています。


本記事を読んで自分の作品にピッタリの同人誌サイズを見つけて

原稿作成作業に早速取り掛かってくださいね!



【結論】同人誌のサイズにルールはないがB5かA5が多く、サイズは売上に関係しない。

同人誌のサイズに明確なルールはない

B5かA5が主流

王道の同人誌サイズはB5かA5です。

B5は少年ジャンプなどのコミック雑誌と同じ大きさ、A5は4コマ漫画のコミックスで採用されている大きさです。

B5かA5だと以下のサイズの同人誌をたまに見かける感じです。

  • A4(ビジネス文書での標準サイズ)→イラスト本
  • B6(B5の半分の大きさ)→小説本
  • A6サイズ(文庫本と同じ大きさ)→小説本

このサイズだと売れるという法則もない

あなたが気になるのはサイズと同人誌の売れ行きに関係があるかどうかだと思います。

結論、同人誌のサイズは売れ行きに関係しません。

「あの本欲しいけど、サイズが○○だから買わない」という人に今までお会いしたことはありません。

では同人作家はどのように同人誌のサイズを決めているのでしょうか。

同人誌の形態が漫画・イラストと小説では決め方が違うのでそれぞれ説明します。

同人誌のサイズの決め方(漫画・イラストの場合)

あなたが漫画かイラストを描いて同人誌にしたい場合、決め方は3パターンあります。

決め方1. 属しているジャンル・カップリングでB5、A5のうち主流な方

同じジャンルや同じカップリングのサークルさんの間で示し合わせたわけではないのに界隈(かいわい)の同人誌サイズがB5とA5のどちらかに偏っている場合がなぜかあります。

特にサイズにこだわりがない場合はB5とA5のうち界隈(かいわい)で主流なサイズにすると良いでしょう。

わたしの経験ではそのジャンル・カップリングで影響力の強い作家さんが好むサイズが界隈(かいわい)の標準サイズになっていたということがありました。

界隈(かいわい)の標準サイズから異なっていても大きな問題になることはありません。

決めた方2. 原稿作成時の効率を重視するならA5、絵柄を見せたいならB5

実際に原稿をやってみると実感すると思うのですがB5サイズは原稿サイズとしてはかなり大きめです。

サイズが大きい分細かい描き込みができるので繊細な描き込みをする絵柄の方や1枚1枚のイラストを印象付けたいイラスト本の場合はB5サイズの方が適しているでしょう。

A5サイズはB5サイズに比べると原稿サイズが小さい分作業時間が少なく済む場合が多いので作業スピードを重視する場合はA5サイズを選択すると良いでしょう。

決め方3. 費用を安くしたいならばA5

A5サイズの方が小さいため、印刷費用はA5サイズの方がB5サイズより低く設定されている場合が多いです。

費用を抑えたい場合はA5サイズを選択すると良いでしょう。

また表紙オプションの箔押しはサイズが大きくなるにつれて費用が高くなるため、表紙の箔押しの占有率を高くしたい場合や表紙全面を箔押ししたい場合はA5サイズの方が安く済みます。

同人誌のサイズの決め方(小説の場合)

B5サイズ以上は読みにくいので避けた方が良い

小説同人誌でB5サイズ以上の本はかなりレアだと思います。

小説作家さんがA5やB6、A6サイズなどの小さいサイズを選択するのは読みやすさを重視しているためです。

読みやすい文章にするためには以下の4つの書式要素を気をつける必要があります。

  • 文字の大きさ
  • 文字のフォント(書体)
  • 行間
  • 一行の長さ

4つの書式要素を考慮するとB5サイズ以上の本で読みやすい文章にするためには2段組以上にする必要があります。

わざわざ段組してB5サイズにするよりは段組の必要がないA5サイズ以下を選ぶ小説作家さんが多いようです。

ページ数が多い場合は重さを考慮して小さい方が良い

小説同人誌の場合、漫画やイラストの同人誌と比較すると本文のページ数が多くなる傾向にあります。

ページ数が多い場合は本のページのめくりやすさや本の開きやすさ、本の重さを考慮する必要が出てきます。

サイズが小さくなるほど本の重さは軽くなるのでB6やA6サイズを選択するのも良いでしょう。

なお、本の重さは本文用紙の種類によって大きく変わります。

印刷所によっては表面が平滑で軽い小説向けの本文用紙を用意している場合がありますので利用すると良いでしょう。

同人誌のサイズの決め方(アンソロジーや合同本)

漫画と小説が入り混じる場合はA5がオススメ

アンソロジーや合同本で、漫画・イラスト・小説の作家さんが混在する場合、どの形態でも描き(書き)やすいA5サイズがオススメです。

アンソロジーや合同本は作家数の増加に伴い本文ページ数が多くなりますので料金面でもA5サイズの方が適しています。

まとめ

同人誌のサイズの決め方は基本的に自由です。

自分の絵柄や作業効率などを考えて決定しましょう!


この記事ではClipStudio(以下クリスタ)の設定をすこし変えるだけで見栄えをよくするアイデアを紹介しています。

クリスタのふきだしって初期のまま使用するとかっちりしすぎて絵から浮くなぁと思いませんか。

本記事を読むとふきだしの線種を変更して絵となじませることができ、見栄えが良くなる方法を知ることができますよ。


【結論】主線に使用しているブラシをプリセット登録し、ふきだしペンのブラシ形状に指定することで絵になじむふきだしを作成できるようになる

初期設定のふきだし
初期設定のふきだし
主線と同じペンに変更したふきだし
主線と同じペンに変更したふきだし
  • 左の絵がクリスタの初期設定のふきだし、右の絵が主線と同じペンにペン形状を変更したふきだしです。
  • 好みはあると思いますが、主線と同じペンにペン形状を変更したふきだしの方が原稿の中でふきだしが浮きにくくなります。

設定方法

1. 主線に使用しているペンツールのツールプロパティを開き、右下のスパナアイコンをクリックします。

ツールプロパティを開き、右下のスパナアイコンをクリック
ツールプロパティを開き、右下のスパナアイコンをクリック

わたしが主線に使用しているデGペンはCLIP STUDIO ASSETSでの配布終了しています。

すごく使いやすいペンなのでご紹介したかったのですが残念です。

2. サブツール詳細のブラシ形状>プリセットに登録をクリックします。

サブツール詳細のブラシ形状>プリセットに登録をクリック
サブツール詳細のブラシ形状>プリセットに登録をクリック

3. ブラシ形状に登録されたことを確認します。

ブラシ形状に登録されたことを確認
ブラシ形状に登録されたことを確認

4. フキダシペンを選択します。

フキダシペンを選択
フキダシペンを選択

5. ブラシ形状の下向きのカッコをクリックします。

ブラシ形状の下向きのカッコをクリック
ブラシ形状の下向きのカッコをクリック

6. さきほど登録した主線のブラシ形状のプリセットを選択します。

主線のブラシ形状のプリセットを選択
主線のブラシ形状のプリセットを選択

7. 実際にふきだしを描いてみながら絵になじむブラシサイズに変更します。

絵になじむブラシサイズに変更
絵になじむブラシサイズに変更

これで完了です。簡単ですね!

まとめ

今回のアイデアもちょっとしたことですがやってみると原稿の見栄えがすごく変わります。

わたしの場合は初期設定のふきだしだと絵からふきだしが完全に浮いてしまい、ソフトを使いこなしていない感がひしひしと伝わってくる原稿になってしまいます。

かっちりした絵を描く方は初期設定のふきだしでもいいと思うのですが、アナログっぽい雰囲気の絵を描く方は今回のアイデアを採用してみると原稿の見栄えがグッとよくなりますよ。

前回の記事でカスタムフォントとは自分でiPadに追加したフォントであること、インストール方法が大きく分けると2種類あることを紹介いたしました。

カスタムフォントの2種類あるインストール方法のうち、1つ目はApp Storeから配布されているフォントインストールアプリ(Fontinstall.appなど)からインストールする方法です。

2つ目のインストール方法はフォントデータをAnyFontなどのアプリを使用してインストールする方法です

本記事ではiPadのフォント関連を解説させていただくシリーズ記事の第3弾として

  • カスタムフォントインストール方法2種類についてくわしく説明
  • なぜカスタムフォントはインストール方法が2つあるのか、その背景
  • フリーフォントを安全に利用するには

を解説します。

iPadはフォント周辺の設定が複雑なのでわからない用語がたくさん出てきたりどこから設定すればよいのかがわからなかったりします。

本記事を読むとどのようにカスタムフォントのインストール方法2種類を使い分ければ良いのかを知ることができますよ。


【結論】フォントインストールアプリからはアプリ内に収録されたフォントしかインストールできない

  • 1つ目のフォントインストールアプリからインストールする方法はそのフォントインストールアプリ内で用意されているフォントの中からしかインストールするフォントを選ぶことができません。
  • 2つ目のAnyFontなどを使用してインストールする方法は自分でフォントデータを用意する必要があり、フォントデータを用意すれば自由にiPadへフォントの追加が可能です。

カスタムフォントインストール方法は2種類あります

カスタムフォントのインストール方法は大きく分けると2つに分かれると前段で説明いたしました。

今後のそれぞれの呼び方について

  • 1つ目のApp Storeから配布されているフォントインストールアプリ(Fontinstall.appなど)からインストールする方法を①フォントインストールアプリ
  • 2つ目のフォントデータをAnyFontなどのアプリを使用してインストールする方法を②フォントプロファイルインストールアプリ

とします。

②フォントプロファイルインストールアプリはわたしが作った本ブログ内のみの呼び方です。

①フォントインストールアプリ

①フォントインストールアプリとは

簡単に言うとフォントメーカーが作成したフォントのサブスクリプションアプリです。

モリサワやフォントワークスなどの有名フォントメーカーのフォントを定額料金で使用できます。

2019年11月に発表されたiPadOS13で実装された設定>一般>フォント機能を使用してフォントの管理を行います。

①フォントインストールアプリの場合、各アプリが用意したフォントの中から使用したいものを選んでインストールすることになるため、自分が用意したフォントデータを使用して好きなフォントをiPadにインストールする用途には使用できません。この用途には②フォントプロファイルインストールアプリを使用します。

代表的な①フォントインストールアプリ

()内は提供元です。

fontinstall.appはSIL Open Font License (OFL)でライセンスされた日本語フリーフォントを集めて①フォントインストールアプリとしたもので、アプリに収録されているフリーフォントを無料で使用することが可能です。

②フォントプロファイルインストールアプリ

②フォントプロファイルインストールアプリとは

②フォントプロファイルインストールアプリとは、フォントメーカーから購入したフォントデータやフリーフォントのダウンロードサイトから入手したフォントデータをiPadにインストールするためのアプリです。

追加費用でアプリ内で用意されているフォントを使用できるものもあります(AnyFontなど)。

①フォントインストールアプリが開発される前から②フォントプロファイルインストールアプリは存在していました。

iPadOS13リリース前はiPadで組み込みフォント(iPad購入時にすでに入っているフォント)以外のフォントを使いたい場合は②フォントプロファイルインストールアプリを使用してフォントを追加するしかありませんでした。

インストールされたフォントデータは設定>一般>プロファイルに追加され、削除もここで行います。

代表的な②フォントプロファイルインストールアプリ

①フォントインストールアプリの開発背景

①フォントインストールアプリは2019年11月に発表されたiPadOS13の設定>一般>フォント機能を使用していると前述しました。

では設定>一般>フォント機能はなぜ開発されたのでしょうか。

それは旧来使用されてきたプロファイルインストールによるフォント追加(②フォントプロファイルインストールアプリのこと)はiPadが使用できなくなるなどの危険性があるため、ユーザーにやめさせたいというAppleの意向によるものです。

プロファイル(構成プロファイル)とは

そもそもプロファイル、正式には構成プロファイルとは何なのでしょうか。

iPadOSではiPadの各種設定(システム用、セキュリティ用、ユーザー個人用の設定など)がXML形式で記載されたファイルのことを構成プロファイルと呼びます。

構成プロファイルを使用すれば普通ならユーザーが設定できないような内容も設定できてしまうという点が今回の話のキモです。

ユーザーが気軽に構成プロファイルをインストールする危険性

構成プロファイルはiPadの設定を変更してしまうため、悪意のある構成プロファイルをインストールしてしまった場合にiPadの通信データを盗んだり、不正サイトへアクセスさせたり、カメラやマイクを使用不可にされたりする可能性があります。

フリーフォントとして配布されていたファイルが実はそういった悪意があるファイルであったというケースも想定されますので、Appleはユーザーが気軽にプロファイルをインストールするのをやめさせたいわけです。

②フォントプロファイルインストールアプリでしかフォントを追加できない状況を変えるために①フォントインストールアプリが出てきた、というのが開発の背景です。

フリーフォントが①フォントインストールアプリに収録されていく可能性は低い

では今後はフリーフォントはすべて①フォントインストールアプリになっていくのかというとそうはならない可能性が高いです。

フリーフォントの多くは個人が趣味で作っているものです。

①フォントインストールアプリとして配布するためには、アプリの開発や開発したアプリをApp Storeで配布するためのAppleの審査を通す必要があります。

フリーフォント作成者がお金と手間をかけてiPadユーザーのためだけにそこまでするかと言ったら大部分のフリーフォント作成者はしないでしょう。

よってフリーフォントをインストールするには今後も②フォントプロファイルインストールアプリを使用していくしかないと予想されます。

リスクを減らしてフリーフォントを利用するには

わたしたちはどのようにしたら安全に②フォントプロファイルインストールアプリを使用してフリーフォントを利用できるのでしょうか。

わたしの考える案としては以下3つです。

  • 利用実績の多いフリーフォントのみを使用する
  • フォントメーカーが配布しているフリーフォントを使用する
  • あやしいフリーフォント配布サイトからはダウンロードしない

リスクを完全に回避したいならばフリーフォントを使用せず、組み込みフォントと①フォントインストールアプリに収録されているフォントを使用するしかありません。

まとめ

カスタムフォントはだいぶややこしいので今回の記事は少し難しい内容になってしまったと思います。

フォントは奥が深く、本シリーズもしばらく続きますので最後までお付き合いいただければ幸いです。


↑このページのトップヘ