絵描きの机周り

お絵描き機材やソフト、その他のお絵描き時に欠かせないものを紹介しています。本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

みなさんはクリスタで新しくマンガを描くとき、

レイヤーが大量になってしまってどのレイヤーに何を描いたのかわからなくなっていませんか。

もしくはキャンパス作成都度、主線レイヤーやトーンレイヤーを都度作成していませんか。


それ、だいぶ時間を無駄にしているかもしれませんよ?


本記事ではレイヤーをできるだけシンプルにするメリットと、

よく使うレイヤー構造をテンプレート化することで時短になるアイデアを紹介しています。


どういう人向けの記事か

こちらの記事はクリスタで漫画を描いている人向けに作業効率をアップするためのアイデアをお教えします。

初心者の方はぜひご紹介する方法を取り入れてクリスタを使い始めてください。

すでにクリスタはある程度使っているよという中級者以上の方にとっても有益な、まだ取り入れていないTipsかもしれません。

ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

記事を読んで得られること

手順自体はとても簡単なのでクリスタを持っている人ならば誰でも実行可能です。

クリスタでの原稿の仕方をちょっと普段のやり方から変えるだけで原稿を早く描けるようになる情報です。

早く描けるだけでなく原稿のクオリティをアップすることができます。

記事を読み終えるとどうなるのか

この記事を最後まで読むとちょっとした工夫で今までよりも速く・クオリティの高い原稿をクリスタで描けるようになりますよ。


レイヤー構造はできるだけ単純にすると迷いが減って時短になる。さらにテンプレート化すると使い回せてgood。

iPadはパソコンの画面と比べると小さい場合が多いです。

画面の大きさ最大のiPad Proでも12.9インチですから一部のノートパソコンの画面よりは大きい場合もあるかもしれませんが、小さめの画面の部類に入ると思います。

その小さい画面の中で大量のレイヤーを管理するのはとても大変です。

レイヤーが大量にあるとレイヤーの管理に気力を持っていかれてしまうので、できるだけ少なく・シンプルなレイヤー構造にする方がiPad版クリスタでは時短に繋がります。

また、普段よく使用するレイヤー構造をテンプレートとして登録しておき、キャンパス作成時にそのテンプレートを選択すればさらに時短になります。

わたしのレイヤーテンプレート

参考としてわたしが普段使用しているレイヤーテンプレートをお見せします。

レイヤーの構造は上から以下のようになっています。

  • セリフ用レイヤー
  • ペン入れ用レイヤー(ベタもこのレイヤーで行う)
  • トーンフォルダとトーンレイヤー
  • 下描きフォルダと下描きレイヤー

レイヤーテンプレートの作成の仕方

まずはレイヤーテンプレートの作成の仕方です。

  1. 登録したいレイヤー構造を設定したキャンバスを作成します。
  2. 編集>素材登録>テンプレート で登録できます。
  3. テンプレートを使用するときはキャンバスの新規作成時に「テンプレート」にチェックを入れます。
  4. 作成したレイヤーテンプレートを選択します。
  5. キャンパスを作成します。

わたしがレイヤーテンプレートで工夫しているポイント

レイヤーテンプレート内のレイヤー構造はあなたの使いやすいように設定していただいて大丈夫です。

あなたがレイヤーテンプレートを作成するときの参考になるように、わたしのレイヤーテンプレートでどのような点を工夫しているのかをお教えしたいと思います。

自分にも使えそうなポイントがあったらぜひ使ってみてくださいね。

工夫しているポイント①コマ枠フォルダは使わない

レイヤーテンプレートの中には入っていないのですが、コマ枠レイヤーについてコマ枠フォルダではなく枠線分割でコマ割しています

コマ枠フォルダというのはコマごとにフォルダが作成し、その中にそのコマ内のレイヤーを作成する機能です。

コマ枠フォルダについてイメージが湧かない場合はこちらのクリスタ公式ページをみていただくとわかりやすいと思います。

ClipStudio公式Tips 基本的なコマ枠の作り方2

コマ枠フォルダのメリットはこのフォルダ内のレイヤーはコマ枠外がマスクされた(表示されない)状態になるためコマ枠からはみ出して絵を描いても大丈夫な点です。

あらかじめコマよりも大きめに絵を描いておけばページ内のレイアウト見直しなどで絵を縮小する場合にも描き足しが不要で便利です。

このように便利なコマ枠フォルダですが、私がこの機能を使わないのは以下の理由です。

  • ページ内レイアウトはラフや下描き段階で確定しておけば絵を縮小するような事態にはならないため。
  • コマ枠外まで絵を仕上げる時間が無駄だと思うため。
  • コマごとにフォルダとレイヤーが作成されるのでレイヤー管理の手間が増えるため。

時短を目指しているならばコマ枠フォルダは使用しないほうがいいかなと個人的に思います。

コマ枠フォルダから枠線分割の切り替えは図形>[コマ枠カット]サブツールグループ>[枠線分割]サブツールで行うことができます。

工夫しているポイント②フキダシをひとつのレイヤーにまとめる

クリスタのフキダシ作成機能はフキダシごとにレイヤーを新規作成するか、もしくは現在選択しているテキストレイヤーに追加するかを選ぶことができます。

レイヤー構造をとにかくシンプルにしたいので、わたしは現在選択しているテキストレイヤーに追加を使用しています。

フキダシごとに別レイヤーにするメリットをわたしは感じないのでひとつのレイヤーにまとめています。

ただし、コマ枠フォルダを使用している場合はフキダシをひとつのレイヤーで管理することができないようです。

フキダシを1つのレイヤーで管理するには[フキダシペン]ツールの[追加方法]の[レイヤーを新規作成][選択中のレイヤーに追加]で行うことが可能です。

工夫しているポイント③トーンレイヤーにパレットカラーを設定してどの色用のトーンなのかをわかりやすくする

わたしが使用しているテンプレートではあらかじめ人物に使用するトーンを作成してあります。

どのトーンレイヤーがどの線数・%なのかわかりやすくするためにパレットカラーをそれぞれ設定してあります。

パレットカラーの設定色はわたしがよく描く人物の髪や肌、服の色と同じ色に設定してあるため、パレットカラーを見ればどこに貼る用のトーンなのかが一目でわかるようにしています。

パレットカラーはレイヤーウィンドウから設定が可能です。

工夫しているポイント④下描きレイヤーはあらかじめ設定しておく、複数用意する場合は色を変える

下描きレイヤーはレイヤーテンプレート作成時点であらかじめ設定してあります。

複数下描きレイヤーを使用するのでレイヤーカラーの色を分けてあります。

青色の下描きレイヤーがメインの下描きレイヤーで、補助線などが必要な場合は黄緑色の下描きレイヤーをサブとして使用するという感じで使い分けています。

オススメ書籍

わたしのレイヤーテンプレート設定にはこちらの書籍で紹介されているテクニックが多く使われています。

クリスタは便利な機能・素材の存在を知っているか・知らないかだけで見栄えや作業効率に差がつく場合が多いです。

中級者以上の方はまずは本全体をざっと読んで自分に合いそうなものを少しずつ取り入れていくといいと思います。

初心者の方はPart1の「おさえておきたい基本事項」を参考にしながらクリスタの初期設定を行うと良いと思います。

Part2以降は何か新しいことをクリスタでやろうとしたときやクリスタの使い方に迷った時の辞書として使うのが良いと思います。

まとめ

クリスタは多機能ゆえすごく便利な機能があるのにそれを知らないということが結構あります。

お勧めした書籍やクリスタ公式の使い方講座で機能をざっと見て使えそうなものを導入するだけでも時短に繋がりますよ。

同人誌を作る時、描き始めの時点ではだいたいの人がページ数が多くなりがちです。

描いているうちに締切までに間に合わないからと

大幅にページをカットしたり

ページをカットすると話の辻褄が合わなくなる場合は仕上がりが雑になったりするのは

同人作家あるあるネタです。


そもそも締切までの時間や自分の絵を描く能力に対して客観的に判断して

ページ数を決めればいいのに・・・とこれを読んでいる方は思うかもしれませんが

それは非常に難しいことなのです。


本記事では原稿の作業量を見積もるのがなぜ難しいのか、

どのように同人誌のページ数を決めれば良いかを詳しく解説しています


本記事を読むと無理のないページ数を設定でき、余裕を持って原稿作業を行えるようになりますよ。



【結論】初めての同人誌のオススメのページ数は20ページ。8ページは用途が決まっているので、漫画や小説を使用できるページ数は12ページ。

初めての同人誌は慣れないことだらけなのでハードルできるだけ低くする

締切が先であればあるほど作業時間が多いわけではない

たとえばあなたが参加したいイベントが半年後だとしましょう。

半年先だからだいぶ時間があるし、ある程度厚みのある同人誌を作れそうと思うかもしれません。

わたしもそうなのですが、厚い同人誌ってかっこよくて憧れるんですよね。

締切が3ヶ月後であっても半年先であっても原稿を開始する時期は同じくらいになる人が多いです。

これはわたしもそうですし、わたしの周りの人をみていても大体こんな感じです。

まだ時間があるから作業を始めなくても大丈夫という風に思ってしまいがちなのです。

普通の同人誌のかたちになるのは最低20ページから

後ほど「ページ構成の基本」で詳しく記載しますが、一般的な同人誌のかたちになるのは最低20ページからです。

なので最初は20ページを目標にするのが良いと思います。

もし締切よりもだいぶ早く描き終わってしまった場合、早期割引で印刷代を安くするのもよし、間に合いそうならページ数を増やすのもよしです。

締切より早い分にはいくらでもアレンジのしようがあります。


一般的な同人誌とは

一般的な同人誌のかたちというのは表紙は厚めの紙にフルカラー印刷されていて、本文は薄い紙に単色印刷されたものを指します。

印刷所の基本セットもだいたいこのような仕様になっている場合が多いです。

ページ数を算出できる計算式はあるのか→ない

もしあなたがコツコツ毎日作業できる人の場合は自分にあった現実的なページ数を算出してみたいと思うかもしれません。

普通に考えればページ数は以下のような計算で求められそうです。

ページ数=(締切までの日数×日々の平均作業時間-余裕時間)÷1ページあたりの平均作業時間

ただ、この数式でページ数を算出するのは現実的ではありません。

数式の中の「1ページあたりの平均作業時間」を算出するのが困難だからです。

自分の1ページあたりの平均作業時間を計測するのは難しい

あなたがストップウォッチを使用して作業時間を正確に計算し平均作業時間を計測したとしても、その値から締切までに描きあげられるページ数を計算し実際に描き上げるのは非常に難しいといえます。

なぜなら1ページの中のコマの数や描き込みの程度により作業時間は長くなったり短くなったりしてしまうからです。

物語の緩急や場面の演出のためにどうしてもそうなってしまいます。

人の平均作業時間ほどあてにならないものはない

ときどき、短期間で同人誌を作成した人の実録漫画などをPixivでお見かけすることはあります。

読む分には非常に楽しいものですが、その内容を自分で再現することはほぼ不可能です

人によってはほとんど下描きなしで一発でペン入れができる人もいますが、多くの人はある程度下描きを描き込まないとペン入れができません。

単純な線で構成されたキャラを描く人とリアルよりの絵柄の人の作業時間がまったく違うのは想像しやすいと思います。

1ページに10コマ詰め込んだページと、全てのコマが文字だけのモノローグでベタ背景のページだったらかかる時間は全く違うでしょう。

このように1ページあたりの平均作業時間を算出するのは非常に難しいことがお分かりいただけると思います。

同人誌になる最低のページ数は何ページか

初心者はできるだけハードルを低くすべきという書きましたが、では同人誌の一番低いハードルは何ページになるのでしょうか。

何ページになるのかを説明するのと合わせて、同人誌印刷に必要な基礎的な知識も説明していきます、

本のかたちになるのは最低8ページ以上

図のように一般的な本のかたちになるには最低8ページが必要です。

印刷所のセットの最低ページ数はだいたい20ページ

最低8ページで本の形にはなりますが、印刷所のセットパックはだいたい20ページからの場合が多いです。

20ページから場合が多いのは以下の理由です。

  • 20ページより薄いと無線綴じで綴じることが技術的に難しい
  • 中綴じで綴じると表紙の厚みにより本が勝手に開いてしまう場合があり見栄えがあまりよくない
  • 刷り上がった同人誌の原価がページ数に対して割高になってしまうため需要がない

無線綴じ、中綴じとは

同人誌の背を糊で綴じる場合を無線綴じ、ホチキスで綴じる場合を中綴じと言います。

ページ構成の基本

ページ数のうち8ページは基本的に用途が決まっているため、自由に使えるのは12ページ

ページ数には表紙のページ数が含まれている

同人誌でページ数を数える場合は表紙のページ数もカウントします。

表紙を1ページ目、表紙の裏が2ページ目、本文3ページ目・・・という風な感じです。

表紙をカウントに入れるのはちょっと不思議な感じもするかもしれませんが、「まぁこういうもんなんだな」と思っていただければと思います。

ページ数が20ページの場合は表紙が4ページ、本文が16ページということになります。

なお、表紙の裏と裏表紙の裏を表紙2、表紙3と言いますが、ここは通常は印刷されないページなります。

印刷したい場合は表紙23印刷オプションで追加料金をとる場合がほとんどです。

本文の開始2ページと最後の2ページは扉絵と奥付で使用する場合が多い

本文については必ずこうしないといけないというわけではないのですが、以下のようなケースが多いです。

  • 本文の開始2ページは扉絵(注意書き)と前書き
  • 最後の2ページは後書きと奥付

この中で奥付以外は必ずそうしなければいけないものではないのですが、後述する理由によりこのような構成になっている同人誌が多くなっています。

理由①基本的に漫画や小説は左ページ始まり、右ページ終わりのため

漫画雑誌などを読むと、大体の漫画が左ページから始まっているのに気づくと思います。

これは視線誘導的に左ページ開始の方が人の注目を引きやすいからという理由があるようです。

終わりのページが右ページなのは漫画が偶数ページにすることが多いためですが、開始ページほどこだわっている人はいないような印象です。

理由②表紙から本文の最初のページが透けてしまうことがあるため

表紙の用紙が薄い場合や白っぽい絵の場合は表紙から本文が透けて見えるときがあります。

透けていると見栄えが悪くなるため、最初のページは透けてもあまり影響を与えないような文字だけのページ(注意書き)にする場合が多いです。

遊び紙を入れる場合は透けを気にする必要はありませんが、セットの内容によっては遊び紙は有料オプションになっている場合もあります。

奥付は省略できない。奥付に記載する内容は決まっている

同人誌を発行する際に奥付については省略することはできません

これはその同人誌の責任の所在を明確にするためでイベントの参加要項などに記載がされています。

守っていない場合はイベントで同人誌の頒布ができないペナルティを受けたり、印刷所から印刷を断られる場合もあるようです。

奥付に必要な項目は以下6つです。

  • 本のタイトル
  • 発行者(ペンネーム)
  • 発行(サークル名)
  • 発行年月日
  • 連絡先(メールアドレス、HPのURL)
  • 印刷所名

奥付に1ページ使わなければいけないというルールはない

どうしても奥付用の専用ページを用意できない場合、見栄えが悪くなりますが漫画や小説の最終ページの一番下に奥付を記載する方法でも大丈夫です。

途中ページに奥付を入れてるのは適切でないとされています。

まとめ

20ページ以上の同人誌にチャレンジしてみたい人はやってみてもいいと思いますが、ページ数が多くなるほど完成させる難易度は飛躍的に難しくなっていきます。

まずは1冊同人誌を完成させる経験をしてから試してみるのがいいと思いますよ!


十数冊の同人誌を作ってきたわたしですが、今でも印刷部数を決めるのは難しいです。

理由は作家側でコントロールできない要素に印刷部数は大きく左右されるからです。


印刷部数に影響するコントロールできない要素としては以下があげられます。

  • あなた自身の人気
  • ジャンル、カップリングの人気
  • 参加イベントの盛り上がり
  • 社会状況

作家自身にどうしようもできない要素が強く影響するのが部数なので

同人誌初心者の方はあまり深く悩まずに「100部」で印刷することをオススメします。


本記事でははじめて同人誌を作る人に向けて

同人誌の部数をどのように決めればよいのかを解説しています。


本記事を読んで部数をサクッと決めて原稿作成にさっそく取り掛かりましょう!



【結論】初めての同人誌の印刷部数は100部がオススメ

初めての同人誌の印刷部数が100部がオススメの理由

新刊の賞味期限は3ヶ月〜半年程度だから

女性向けの二次創作の場合は春夏秋冬の大イベント、男性向けの場合は夏冬のコミケに合わせて新刊を作るサークルが多い傾向があります。

同じような内容で新刊と既刊が並んでいた場合、新刊の方が売れやすいです。

新刊として扱われる賞味期限は3ヶ月〜半年程度と考えるとその間で売り切ることができない大部数は刷らない方が無難です。

同人誌に限らず現在のエンターテインメント業界において、ライトな内容で頻繁に新しいコンテンツが提供することを強みとする人たちが出てきました。

たとえばYouTuberとして人気になるには毎日動画を投稿することが一番の近道です。

これは技術進歩によってコンテンツ(同人誌や漫画、動画など)を作成する時間的・場所的・価格的コストが低下している供給側の状況と、コンテンツを楽しむ側(需要側)が短時間で完結するライトなコンテンツを好む傾向が近年出てきたという2つの原因があると思います。

あなたが1年に1冊しか同人誌は出さないがページ数は100ページのめっちゃ練り上げられた物語を描きたいというならば、それももちろんOKです。

ただこのシリーズでは初めての同人誌を題材に扱っているので、1冊目の同人誌は3ヶ月〜半年程度で無理なく売り切れる量、具体的には100部をオススメします。

売れ残ったとしても物理的にどうにか扱える量だから

こちらの記事で初めての同人誌のオススメのページ数は20ページとしています。

20ページで100部だと小さめの段ボール1箱に収まるため、もしイベントで売れ残ったとしても保管や処分がそれほど大変ではない量です。

200部、300部・・と増えていくと保管スペースも取りますし廃棄するとなった時にも大変になります。

売上と費用が同じくらいになるから(ただし全部売り切る必要あり)

A5サイズ20ページの同人誌の印刷部数による利益をシミュレーションしてみましょう。

印刷料金は某印刷屋さんのフルカラーPPパックをもとに、端数金額を丸めた数値に変更してあります。

1冊300円で販売した場合、売上と印刷費用が同じになる冊数は大体70冊くらいです。

販売数が70冊を超えると売上が費用を超え黒字になりますが、同人誌を作成してイベントに参加するには印刷費用以外にイベント参加費や交通費もかかります。

それらの費用を加味し100冊くらい売れると赤字にはならないと判断して100冊を印刷部数としてオススメしています。

【例外】印刷部数を100部より多くすることも考えた方が良いケース

例外的に以下の場合は100部以上も検討しても良いかもしれません。

  • 同人活動は初心者だがSNS(Twitter、Pixiv)での人気が高い場合

損益分岐点の表を見てもらうとわかりますが、100冊を2回刷るよりも200冊を1回の方が原価が安くなります。

勇気が必要ですが思い切って部数を多めに印刷するのもアリかもしれません。

「SNS(Twitter、Pixiv)での人気が高い」の定義

「SNS(Twitter、Pixiv)での人気が高い場合」というのはフォローしている数に対してフォロワーが極端に多い場合を指します。

例えばあなたが100人フォローしているのに対し、あなたをフォローしている人が10,000人いるような場合です。

1,000フォロー1,100フォロワーの場合、1,100人のフォロワーのうちフォローバックの人が1,000人、純粋にフォローしている人は100人ということなので、このケースは「SNS(Twitter、Pixiv)での人気が高い場合」には当てはまりません。

ジャンルやカップリングが旬の場合は部数を増やしてよいかどうか

ジャンルやカップリングが旬の場合は印刷部数を100部から増やしてもいいのではないかと考える人もいるかもしれません。

旬ジャンル・旬カップリングというのはSNS上で盛り上がっていたりイベント参加サークル数が急増加しているジャンルやカップリングを指します。要するに「流行り」です。

同ジャンルやカップリングのファンが多いため、売れる数も相対的に多くなる傾向があります。

あなたがそのジャンルやカップリングである程度知名度があるならば印刷部数の増加も考えてもいいと思いますが、旬ジャンル・旬カップリングだから簡単に売れるというわけでもありません。

需要も多いが供給も多い、つまり同人誌を作り手も多い状態になるからです。

人気作家が他ジャンル・他カップリングから流入してくることもあるでしょう。

競争の激しい中で同人誌を作ることになりますから旬であっても安易に部数を増やすのは慎重になった方が良いと思います。

印刷部数を100部より少なくすることも考えた方が良いケース

どんなにあなたががんばっても100部を売り切ることも難しいケースも存在します。

以下のような場合はオフセット印刷を諦めてオンデマンド印刷に変更し、1冊あたりの単価を抑えて小部数にした方が良い可能性が高いです。

  • あなたのSNS(Twitter、Pixiv)のフォロワーがほとんどいない場合
  • ジャンルが一次創作の場合
  • ジャンルが二次創作だが過疎ジャンル、過疎カップリングの場合
  • 書店委託をせずに自宅で在庫を保管する場合

SNS(Twitter、Pixiv)のフォロワーがほとんどいない場合

イベント参加者の多くは事前にSNS(Twitter、Pixiv)で情報収集して購入する本を決めていますので、SNS上での露出が少ない人は本が売れにくい傾向にあります。

ジャンルが一次創作の場合

一次創作は作家自身に人気がないと本が売れないとても厳しい世界です。

人気になれば書籍化やプロへの道が開ける可能性が高いので挑戦のしがいはあると思います。

ジャンルが二次創作だが過疎ジャンル、過疎カップリングの場合

連載が終了している漫画やかなり前に発売されたゲームなど、同人誌の需要が少ないケースです。

書店委託をせずに自宅で在庫を保管する場合

自宅に在庫を保管する場合場所をとってしまうため在庫数を少なくするために印刷部数を減らした方がいいかもしれません。

売上部数を予想する方法

最後に2回目以降の同人誌作成の際に売上部数を予想して適切な印刷部数を算出する方法を記載します。

過去の自分の売上を参考にする

1回同人誌を発行すると自分の本がどれくらい売れるかの実績ができます。

2回目以降の同人誌作成の際は実績を元に算出すると良いでしょう。

ただしあなたの活動ジャンルやカップリングが変わっていたり、流行りが変わっていると実績が参考にならない場合もあります。

同ジャンル・同カップリングの作家さんの部数を聞いてみる

同ジャンル・同カップリングに仲の良い作家さんがいる場合は過去の同人誌の印刷部数を聞いてみるのも良いかもしれません。

ただし売れる部数はその人の人気に左右されるものなのであくまで参考値です。

また、部数はお金に直結する内容なので尋ねるならば気心の知れた作家さんのみにしてください。

PixivやTwitterに掲載したサンプルのリツィートといいねの数を参考にする

発行予定の同人誌のサンプルをSNSで投稿して反応を確認するのも良い方法です。

ただし「リツィート」や「いいね」はタダでできますが、同人誌を買うのにはお金が必要なのでハードルの高さが全く違います。

「リツィート」や「いいね」の数よりも実際に売れる部数は少ないと思っておいた方が良いです。

PixivやTwitterでの部数アンケートを行う

こちらも「リツィート」や「いいね」と同様、アンケートで「買う」と答えた人の全てが実際に購入するわけではありません。

あくまで参考程度に思っておいた方がよいです。

部数は同人誌作成の一番の悩みどころですが、どんなに悩んでも正確な答えは出ません。

初めての同人誌は100部にすると決めてしまって、原稿作成に注力した方がよいと思います。


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