きさとるいの机周り

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はじめてマンガ同人誌を作るとき

多くの場合、同人誌全体で1つの話を描くストーリー漫画の形式で描く人が多いのですが

ちょっと待ってください!

ストーリー漫画の形式にすると本を落とす確率がグンとあがります。

マンガを書き慣れている人ならば数十ページのストーリー漫画を描き切ることもできるのですが、

はじめて同人誌を作る人の場合、マンガ自体をほとんど描いたことがないか

WEB用に描いた数ページ程度のマンガしか描いたことがない場合が多いです。

このような人がストーリー漫画を描くのはリスクがあるので

短編漫画や1ページ漫画、4コマを描けばいいと思うのは

第三者が客観的に見ると当たり前に思えることなのですが

当の本人からすると「同人誌はストーリー漫画を描くもの」という

先入観に囚われている場合も少なくありません。

本記事でははじめての同人誌作成でどのようなマンガ形式がオススメかを解説しています。

本記事を読むと先入観に囚われずに締切とページ数を考慮した

あなたにぴったりのマンガ形式をえらぶことができるようになりますよ。

本シリーズのまとめページはこちら。

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【結論】初めての漫画同人誌ならば4〜8ページくらいの短編漫画か1ページ漫画の組み合わせがオススメ。

【おさらい】同人誌発行までのおおまかな流れ

同人誌作成工程のうち、「2.締切を決める」「3.ページ数を決める」「4.内容の決める」の工程を間違わなければ8割の確率で同人誌を発行できます。

あとの2割は「8.表紙を作成する」「9.本文を作成する」の作業中の集中力と作業の習慣化です。

この記事は「4.内容を決める」について、初めての同人誌はどのような内容にすれば良いのかとその理由について解説します。

今回は漫画同人誌向けの内容になっています。

みんなが描いているストーリー漫画は案外難しい

前回の記事で同人誌初心者の方には20ページ(漫画などに使える実質ページ数は12ページ)がオススメとご紹介しました。

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ではこの12ページでどんな内容を描くか、そのために適しているのはどんな形式かを説明していきます。

あなたは漫画同人誌を描くと思い立った時に真っ先に想像するのは12ページすべてを使用して1つの漫画を描くストーリー漫画の形式ではないでしょうか。

たしかに女性向け同人誌は8割くらいがこの形式です。

シリアス漫画は読み手に感情移入をさせるためにある程度の時間が必要なのでページ数が多くなる傾向があります。

女性向けのエロの場合も本番までの導入を丁寧に描くことが求められるため、どうしてもページ数が必要になりストーリー漫画の形式になります。

ちなみに男性向けは導入よりも本番を重視するため短編でも成り立つ場合があります。

それ以外だと一次創作で世界観や設定の説明が必要な場合もストーリー漫画の形式になる場合が多いです。

ですがストーリー漫画は描くのが難しい部類に入ります。

理由は以下です。

  • ページ数が多くなるとストーリーや内容が破綻する確率が上がってしまう。
  • 描く手順を工夫しないと途中で作業に飽きてしまったり、作業の後半に負荷が高い作業(ペン入れや背景)が連続して消耗する。
  • 全ページ描き切らないと作品として完成しないため、締切に間に合わせるために作業が雑になる。(トーンを貼れない、背景がない など)

4コマ漫画は限られたコマ数の中で話を簡潔にまとめる技術が必要

4コマ漫画ネタが豊富な方やデフォルメ絵が得意な方、笑いのセンスがある方には向いている形式です。

ただ、実際に描いてみるとかなり難しいと感じる方も多いのがこの形式です。

理由は以下です。

  • コマが4つしかない→4コマで収まる話を考えるのはかなり大変。
  • コマの大きさを揃える必要がある→印象を強くしたいコマを大きくする演出ができない。
  • リアルよりの絵柄は向かない→コマが小さいのでリアルな絵だと画面がうるさくなる。

ストーリー漫画とは違う才能が高度なレベルで求められるのが4コマ漫画です。

短編漫画を複数描くか、1ページ漫画と組み合わせるのがオススメ

同人誌初心者の方にオススメの形式は4〜8ページ程度の短編漫画か1ページ漫画の形式です。

その理由を説明していきますね

理由①すこしずつ完成を積み上げていけるので挫折しにくい

初心者にオススメする一番の理由が挫折しにくいからです

短編漫画や1ページ漫画は完成させるまでの期間が短いため、飽きてしまう前に実績を作り上げることができます。

実績を作ることにより達成感を得ることができます。

この達成感というのが作業を続けているのには非常に重要です

人間の脳は適切な難易度の問題を解決した達成感を欲しがる仕組みになっている

ゲームをみんなが大好きなのは、今のその人の適切な難易度の課題を与え、それをクリアすることで達成感を得るという仕組みを適切な期間で畳み掛けてくるからです。

ゲームをやることによって脳内の報酬系と呼ばれる神経が活性化されます。

RPGゲームで物語の序盤に出てくるボスはその時のレベルでもなんとか倒せる程度の強さに設定されています。そのボスを倒すことであなたは報酬を得てレベルが上がり、以前よりちょっとだけ強い敵を倒せるようになります。

この仕組みが脳にとっては快楽なのでゲームを続けるのは用意なのです。

原稿をコツコツと続けるためには脳の仕組みを利用すれば良い

短編漫画や1ページ漫画ならば短い時間で完成させることが出来、その達成感を脳がご褒美と感じることで次の原稿に取り掛かりやすくなります。

これを繰り返していればいつのまにか原稿が完成しているという寸法です。

短編漫画や1ページ漫画をWebで先に公開するのも良い

達成感を高めるアイデアとして、出来上がった短編漫画や1ページ漫画をWebで公開するのも良い手段です。

あなたは出来上がった作品に対して反応をもらうことによってよりモチベーションをあげることができます。

読み手は本の一部を先に確認できることによってその本のクオリティをあらかじめ確認でき、購買意欲を高めることができます。

全ページWebにあげてしまうと同人誌を買う人が少なくなってしまう心配があるならば、一部だけをサンプルとして公開するのが良いでしょう。

理由②話を短くまとめられるので冗長的な話にならない

冗長とは「述べ方が長たらしくむだのある」という意味です。

ストーリー漫画の場合、描き手であるあなたはこのシーンがどうしてもお話的には必要と思っていても客観的に見ると実は対して重要でないというケースがときどき発生します。

ページ数を制限することで要素の必要・不要をシビアに判定する必要があるため、話に無駄がなく読み手にとってスッキリわかりやすいものになりやすくなります。

理由③万が一全ページ完成させることが出来なかったとしても誤魔化すのが簡単

短編漫画や1ページ漫画の場合、万が一12ページすべてを描き切ることができなくても余白のページを入れたり、手間のかからないページを入れることでページ数を誤魔化すことが簡単です。

あなたはちょっとセコいと感じるかもしれませんが・・・。

ストーリー漫画だとこの手を使うことは非常に難しく、クオリティとトレードオフでなんとか締切に間に合わせるか、話を強引に削ってページ数を少なくするか、前後編に分けて辻褄を合わせるなどの手段を取らないといけません。

これらの手段の悪いところはあなたの誤魔化しが読み手に明確に伝わってしまってしまうことです。

どうしてもストーリー漫画が描きたいならば、話を分割して少しずつ積み上げる

あなたがどうしてもシリアスな話が描きたい、女性向けエロが描きたいという強い意志がある場合、初心者でもストーリー漫画にチャレンジしても良いでしょう。

ストーリー漫画を短編漫画や1ページ漫画を少しずつ積み上げたものだと思えば良いです。

ストーリー漫画を場面転換ごとや起承転結ごとに分割し、それぞれを完成させていくという手段を使えば報酬系の脳の仕組みを上手に使って作業を継続させることも難しくないです。

ただし全体感を見てスケジュールを調整する管理能力や、どんなに忙しかったり疲れていても毎日作業を続ける自制心が必要になってきます。

まとめ

締切までに原稿を完成させるコツは日々の作業の達成感を得ることができるようにすること、いきなり大きなハードルを飛ぼうとせずに小さいハードルを何個も超えていくことです。

それらを続けているといつの間にかに原稿が完成していますよ。

同人誌を作る時、描き始めの時点ではだいたいの人がページ数が多くなりがちです。

描いているうちに締切までに間に合わないからと

大幅にページをカットしたり

ページをカットすると話の辻褄が合わなくなる場合は仕上がりが雑になったりするのは

同人作家あるあるネタです。

そもそも締切までの時間や自分の絵を描く能力に対して客観的に判断して

ページ数を決めればいいのに・・・とこれを読んでいる方は思うかもしれませんが

それは非常に難しいことなのです。

本記事では原稿の作業量を見積もるのがなぜ難しいのか、

どのように同人誌のページ数を決めれば良いかを詳しく解説しています

本記事を読むと無理のないページ数を設定でき、余裕を持って原稿作業を行えるようになりますよ。

本シリーズのまとめページはこちら。

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【結論】初めての同人誌のオススメのページ数は20ページ。8ページは用途が決まっているので、漫画や小説を使用できるページ数は12ページ。

【おさらい】同人誌発行までのおおまかな流れ

同人誌作成工程のうち、「2.締切を決める」「3.ページ数を決める」「4.内容の決める」の工程を間違わなければ8割の確率で同人誌を発行できます。

あとの2割は「8.表紙を作成する」「9.本文を作成する」の作業中の集中力と作業の習慣化です。

この記事は「3.ページ数を決める」について、初めての同人誌は何ページくらいにすれば良いのかとその理由について解説します。

初めての同人誌は慣れないことだらけなのでハードルできるだけ低くする

締切が先であればあるほど作業時間が多いわけではない

たとえばあなたが参加したいイベントが半年後だとしましょう。

半年先だからだいぶ時間があるし、ある程度厚みのある同人誌を作れそうと思うかもしれません。

わたしもそうなのですが、厚い同人誌ってかっこよくて憧れるんですよね。

締切が3ヶ月後であっても半年先であっても原稿を開始する時期は同じくらいになる人が多いです。

これはわたしもそうですし、わたしの周りの人をみていても大体こんな感じです。

まだ時間があるから作業を始めなくても大丈夫という風に思ってしまいがちなのです。

普通の同人誌のかたちになるのは最低20ページから

「ページ構成の基本」で詳しく記載しますが、一般的な同人誌のかたちになるのは最低20ページからです。

なので最初は20ページを目標にするのが良いと思います。

もし締切よりもだいぶ早く描き終わってしまった場合、早期割引で印刷代を安くするのもよし、間に合いそうならページ数を増やすのもよしです。

締切より早い分にはいくらでもアレンジのしようがあります。

一般的な同人誌とは

一般的な同人誌のかたちというのは表紙は厚めの紙にフルカラー印刷されていて、本文は薄い紙に単色印刷されたものを指します。

印刷所の基本セットもだいたいこのような仕様になっている場合が多いです。

ページ数を算出できる計算式はあるのか→ない

もしあなたがコツコツ毎日作業できる人の場合は自分にあった現実的なページ数を算出してみたいと思うかもしれません。

普通に考えればページ数は以下のような計算で求められそうです。

ページ数=(締切までの日数×日々の平均作業時間-余裕時間)÷1ページあたりの平均作業時間

ただ、この数式でページ数を算出するのは現実的ではありません。

数式の中の「1ページあたりの平均作業時間」を算出するのが困難だからです。

自分の1ページあたりの平均作業時間を計測するのは難しい

あなたがストップウォッチを使用して作業時間を正確に計算し平均作業時間を計測したとしても、その値から締切までに描きあげられるページ数を計算し実際に描き上げるのは非常に難しいといえます。

なぜなら1ページの中のコマの数や描き込みの程度により作業時間は長くなったり短くなったりしてしまうからです。

物語の緩急や場面の演出のためにどうしてもそうなってしまいます。

人の平均作業時間ほどあてにならないものはない

ときどき、短期間で同人誌を作成した人の実録漫画などをPixivでお見かけすることはあります。

読む分には非常に楽しいものですが、その内容を自分で再現することはほぼ不可能です

人によってはほとんど下描きなしで一発でペン入れができる人もいますが、多くの人はある程度下描きを描き込まないとペン入れができません。

単純な線で構成されたキャラを描く人とリアルよりの絵柄の人の作業時間がまったく違うのは想像しやすいと思います。

同じ人であっても1ページに10コマ詰め込んだページと、全てのコマが文字だけのモノローグでベタ背景のページだったらかかる時間は全く違うでしょう。

このように1ページあたりの平均作業時間を算出するのは非常に難しいことがお分かりいただけると思います。

同人誌になる最低のページ数は何ページか

初心者はできるだけハードルを低くすべきという書きましたが、では同人誌の一番低いハードルは何ページになるのでしょうか。

何ページになるのかを説明するのと合わせて、同人誌印刷に必要な基礎的な知識も説明していきます、

本のかたちになるのは最低8ページ以上

図のように一般的な本のかたちになるには最低8ページが必要です。

印刷所のセットの最低ページ数はだいたい20ページ

最低8ページで本の形にはなりますが、印刷所のセットパックはだいたい20ページからの場合が多いです。

20ページから場合が多いのは以下の理由です。

  • 20ページより薄いと無線綴じで綴じることが技術的に難しい
  • 中綴じで綴じると表紙の厚みにより本が勝手に開いてしまう場合があり見栄えがあまりよくない
  • 刷り上がった同人誌の原価がページ数に対して割高になってしまうため需要がない

無線綴じ、中綴じとは

同人誌の背を糊で綴じる場合を無線綴じ、ホチキスで綴じる場合を中綴じと言います。

ページ構成の基本

ページ数のうち8ページは基本的に用途が決まっているため、自由に使えるのは12ページ

ページ数には表紙のページ数が含まれている

同人誌でページ数を数える場合は表紙のページ数もカウントします。

表紙を1ページ目、表紙の裏が2ページ目、本文3ページ目・・・という風な感じです。

表紙をカウントに入れるのはちょっと不思議な感じもするかもしれませんが、「まぁこういうもんなんだな」と思っていただければと思います。

ページ数が20ページの場合は表紙が4ページ、本文が16ページということになります。

なお、表紙の裏と裏表紙の裏を表紙2、表紙3と言いますが、ここは通常は印刷されないページなります。

印刷したい場合は表紙23印刷オプションで追加料金をとる場合がほとんどです。

本文の開始2ページと最後の2ページは扉絵と奥付で使用する場合が多い

本文については必ずこうしないといけないというわけではないのですが、以下のようなケースが多いです。

  • 本文の開始2ページは扉絵(注意書き)と前書き
  • 最後の2ページは後書きと奥付

この中で奥付以外は必ずそうしなければいけないものではないのですが、後述する理由によりこのような構成になっている同人誌が多くなっています。

理由①基本的に漫画や小説は左ページ始まり、右ページ終わりのため

漫画雑誌などを読むと、大体の漫画が左ページから始まっているのに気づくと思います。

これは視線誘導的に左ページ開始の方が人の注目を引きやすいからという理由があるようです。

終わりのページが右ページなのは漫画が偶数ページにすることが多いためですが、開始ページほどこだわっている人はいないような印象です。

理由②表紙から本文の最初のページが透けてしまうことがあるため

表紙の用紙が薄い場合や白っぽい絵の場合は表紙から本文が透けて見えるときがあります。

透けていると見栄えが悪くなるため、最初のページは透けてもあまり影響を与えないような文字だけのページ(注意書き)にする場合が多いです。

遊び紙を入れる場合は透けを気にする必要はありませんが、セットの内容によっては遊び紙は有料オプションになっている場合もあります。

奥付は省略できない。奥付に記載する内容は決まっている

同人誌を発行する際に奥付については省略することはできません

これはその同人誌の責任の所在を明確にするためでイベントの参加要項などに記載がされています。

守っていない場合はイベントで同人誌の頒布ができないペナルティを受けたり、印刷所から印刷を断られる場合もあるようです。

奥付に必要な項目は以下6つです。

  • 本のタイトル
  • 発行者(ペンネーム)
  • 発行(サークル名)
  • 発行年月日
  • 連絡先(メールアドレス、HPのURL)
  • 印刷所名

奥付に1ページ使わなければいけないというルールはない

どうしても奥付用の専用ページを用意できない場合、見栄えが悪くなりますが漫画や小説の最終ページの一番下に奥付を記載する方法でも大丈夫です。

途中ページに奥付を入れてるのは適切でないとされています。

まとめ

20ページ以上の同人誌にチャレンジしてみたい人はやってみてもいいと思いますが、ページ数が多くなるほど完成させる難易度は飛躍的に難しくなっていきます。

まずは1冊同人誌を完成させる経験をしてから試してみるのがいいと思いますよ!

同人誌を作ろう!と思い立って漠然と原稿を始めてしまうと

いつまで経っても原稿が完成しないという状態に陥りがちです。

反対に無理な締切を設定してしまうと締切前にデスマーチになってしまい

眠れない、原稿の出来も散々、体調も崩す

そんな状況になってしまいます。

それでも原稿が完成すればまだいいのですが、

原稿が締切までに完成しない、いわゆる原稿を落としてしまったら

あなたの本を楽しみにしてくれている人に申し訳ないですし

なにより自分自身を情けなく感じてしまってツライですよね。

そんな事態に陥らないよう、本記事では絶対に守れる締切の設定方法を解説します。

本記事を読んで身体と心に無理のない締切を設定できるようになって

同人ライフを楽しんでくださいね。

本シリーズのまとめページはこちら。

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【結論】締切はイベントのタイミングに合わせ、外部からの強制力を利用して締切に間に合わせよう

【おさらい】同人誌発行までのおおまかな流れ

同人誌作成工程のうち、「2.締切を決める」「3.ページ数を決める」「4.内容の決める」の工程を間違わなければ8割の確率で同人誌を発行できます。

あとの2割は「8.表紙を作成する」「9.本文を作成する」の作業中の集中力と作業の習慣化です。

この記事は「2.締切を決める」について、何のタイミングを締切とすればよいかとその理由について解説します。

【本題】締切を何のタイミングに合わせるか

締切は外部のイベント、たとえばコミックマーケットやコミックシティ、エア即売会イベントに合わせるのが締切を守るためには大事です。

自分の心の中で決めた締切に合わせるのは絶対にやってはいけません。

合わせる、合わせとは

「合わせる、合わせ」という独特な用語が出てきましたので解説します。

同人界隈で「合わせる、合わせ」というのはそのイベントに同人誌を発行するという意味で用いられます。

たとえば「冬コミ合わせの原稿をしている」というのは「冬コミで発行する同人誌の原稿をしている」という意味になります。

「合わせる、合わせ」という言葉の普通のイメージですと「冬コミ当日までに原稿を完成させる」という風にとらえる方もいるかもしれませんが、それだと原稿を印刷する時間がありませんので間違いです。

コスプレ界隈でも「合わせ」という言葉が使用されますが、こちらは複数人のコスプレイヤーが同じ作品のキャラクターのコスプレで集まることを意味しています。

このシリーズにおける「締切」の定義

同人誌を発行することを決めたらいつまでにその同人誌を発行するかを決めなければいけません。

多くの場合、同人誌の印刷は印刷所にお願いすることになります。

印刷所にお渡しする原稿を完成させるタイミングを本シリーズでの「締切」の定義とさせていただきます。

印刷にかかる日数について

印刷所の入稿日は納品してもらいたい日付のおおよそ1週間前の印刷所が多いようです。

ただし参加者の多いイベントの開催時期であったり、ページ数が多い場合や特別な装丁の場合は入稿日は早まります。

「7.印刷所を決める」の段階で利用する印刷所の入稿日を確認しましょう。

原稿ができあがったら発行する(明確な締切を設定しない)→絶対にダメ

まずはダメな締切設定から見ていきましょう。

明確な締切を設定せずに「原稿が出来上がったら同人誌にしよう」というのは絶対にダメです。

なぜなら人間は明確の期限がないといつまでたっても作業を開始しない、もしくは原稿の完成を先延ばしにしてしまうからです。

  • 「原稿やらなきゃと思うけど、今日は仕事で疲れたから週末にやればいいや〜」
  • 「全ページ背景まできっちり描いて自分の納得のいく出来になるまで印刷しない!」

こんなことを言っていたらいつまで経っても原稿が完成しないのは明白ですよね。

人間の意志の力は自分が思っているよりも弱いもので外部からの強制力を利用しないと原稿を締め切りまでにやり遂げる事はまず無理です。

100%の完成度の作品じゃないと発表してはならないという思い込みも捨ててください

出ない神本より出たクソ本

同人界隈の格言のひとつ。

神のように高い完成度だが発行されない同人誌よりも完成度はクソ程度だが発行された同人誌の方が読者にとってはありがたいということ。

本来、作品の評価というのは自身ではなく他人がつけるものである。

作品の出来にこだわりいつまでも原稿を完成させず、世に出さないのもったいない。

自分で何か締切を設定する(3月に発行する など)→あまりよくない

例えば「3月までに同人誌を発行します!」とTwitterなどで宣言するのはどうでしょうか。

明確な締切を設定しているし、それを外部にも公表しているしているし一見良さそうですよね。

これも実はあんまり良くはありません。

確かに自分以外の人に宣言することで締切を守らなけらばというプレッシャーが働きます。

ですが原稿がスケジュール通りに進まず挫折しそうになったとき、あなたはきっとこう思うでしょう。

  • 「わたしが3月に同人誌を出すと宣言したことをきっと誰も覚えていない。」
  • 「覚えていないんだから同人誌出さなくても誰もがっかりしないよね・・?」

もしくは周囲の友達はあなたの日頃の忙しさを知っていて

  • 「忙しいんだから同人誌を出せなくてもしょうがないよ」

と慰めてくれるのではないでしょうか。

これでは強制力にはなりませんよね。

一番の問題点はこの締切の決め方では締切はあなたひとりだけのものということです。

逆に誰かと締切を一緒にすれば締め切りを守りやすくなるということでもあります。

  • その締切をみんなが明確に覚えている。
  • その締切を守らないと自分や周囲の人がガッカリする。
  • 仕事や学業がどんなに忙しくてもその締切に向けて多くの人が原稿をしている。

こんな締切ならば守れそうな気がしてきませんか。

イベントに合わせる→外部からの強制力を利用できるのでオススメ

先ほど記載した3つ条件に当てはまるのは同人イベントに合わせて締切を設定することです。

同人イベントとはコミックマーケットやコミックシティなどの同人誌即売会のことです。

同人イベント自体は通年各地で行われていますが同じジャンルの人が多く参加するイベントに参加するのが良いでしょう。

そうするとTwitterなどのSNSはイベント間際になると原稿の進捗ツィートばかりになりますので「みんなも原稿しているし、わたしも原稿をしなきゃ!」という気持ちになりやすくなります

同人誌の進捗ツィートに対して「新刊楽しみにしています」という反応をもらえることも多いので周囲からの期待に応えるために新刊を落とせないというプレッシャーを感じることができます。

また印刷所の入稿日を守らないと印刷料金の割増という金銭的なペナルティーを受けるため、無駄なお金を支払いたくない気持ちがさらに作業にドライブをかけます。

このように誰かと一緒に原稿をやることや作業を行うための環境を整えることが締切を守るために重要です。

外部からの何の制約もない状態で自分の意志の力だけで締切を守ることは誰にとっても非常に難しいことです。

あなただけが特別意志の力が弱いというわけではありません。

誰かと一緒にすることで目標を達成しやすくなること、目標を達成するためには仕組みが重要ということはこちらの本に詳しく記載がありますので興味がある方は読んでみてください。

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まとめ

イベントに合わせて外部からの強制力をうまく利用して原稿を完成させましょう!

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