クリスタの合成モードにもう悩む必要なし!3つだけ覚えればOK【ブレンドモード StepUP講座まとめ】

ClipStudioPaint(以下クリスタ)を使っていて

「通常」と「乗算」以外の合成モード(ブレンドモード)の使い方って

ぶっちゃけよくわからなくないですか。わたしがまさにそういう人でした。

わたし自身の勉強も兼ねて28個あるクリスタの合成モードについての記事を書きました。

本記事はそのまとめ記事になります。

結論

取得優先度はA(高い)〜D(低い)の4段階評価です。

合成モード(ブレンドモード)とはそもそもなに?

合成モードはそのレイヤーをどのように下のレイヤーと重ねるかを決める機能です。

 

たとえば白い紙に描いた絵と透明のフィルムに描いた絵があるとして、

それを別の絵に重ねた場合の見え方は全然違いますよね。

この白い紙(不透明)か透明のフィルムかを決めるのが合成モードです。

 

ブレンドモードというのは別ソフトのフォトショップでの合成モードの呼び名です。

 

クリスタやフォトショップ以外のほとんどのイラストソフトも

合成モードの機能を持っています。

多少名称が異なる場合がありますがだいたい似たような機能なので

クリスタで合成モードの使い方がわかれば他のイラストソフトでも応用が可能ですよ。

 

合成モードはクリスタのレイヤーを作成したりレイヤーの順序を入れ替えるレイヤーウィンドウ上で

28個ある選択肢の中からプルダウンから選択します。

28個も合成モードはあるがまずは3つ覚えればOK

えっ!?28個も合成モードの使い方を覚える必要があるの!?と驚いた方、

安心してください。

この中でまずは覚えた方が良いのは「乗算」「スクリーン」「オーバーレイ」の3つだけです。

 

上の画像で合成モードを赤線で区切っていますが、

合成モード28個は大きく5つのカテゴリーにわかれます。

「通常」「暗くする」「明るくする」「コントラストを付ける」「その他」の5つです。

 

「暗くする」からは「乗算」を

「明るくする」からは「スクリーン」を

「コントラストをつける」からは「オーバーレイ」を使えればまずはOKです。

 (一番上の「通常」はごく普通の紙に描いたのと同じ状態のことなので特に解説はしません)

 

ネットで合成モードについて調べると

同じ画像を使用して合成モードだけを変えて機能を説明した記事がよく見つかるのですが

画像はあまり参考にならないし解説もよくわかりません。

 

ならなぜこういう記事がネットにあふれているかというと理由は簡単で

プロのイラストレーターやイラスト技法解説者の人でも

28個の合成モードすべてを理解し使いこなしている人はいないからです。

 

これは別にネットの記事を書いている人がプロとして失格というわけではありません。

言語学習に例えるとわかりやすいと思うのですが、

私たちは日本語の辞書に載っているすべての単語を知っているわけではないですが

私たちの頭の中にある限られた単語のみで日常生活をなんの問題もなく送ることができていますよね。

 

それと同じでよく使う合成モードさえわかっていれば絵を描く分には十分なので

すべての合成モードを覚える必要はそもそもないということです。

 

ちょっといつもと違う雰囲気の絵を描く必要があるときや

ステップアップしたいときに新たに合成モードを学べばOKです。

乗算とは

下の絵
下の絵
乗算レイヤー
乗算レイヤー
合成後
合成後

乗算は透明フィルムに描いた絵を重ねることに似ています。

 

たとえば線のみが描かれた絵はあったとして

それに色塗りをしようというときに乗算レイヤーを上に重ねると

下の線画を生かしながら色を塗ることが可能です。

 

透明フィルムなので下の絵に赤があり乗算レイヤーに青があれば

その箇所は赤と青を混ぜた色、紫になります。

 

絵の中の陰部分を塗ったり、色をのせる場合に使用されます。

スクリーンとは

元の絵
元の絵
スクリーンレイヤー(背景にグレーを置いています)
スクリーンレイヤー
(背景にグレーを置いています)
合成後
合成後

スクリーンでレイヤーを重ねると、

重ねたスクリーンレイヤーの中の暗い部分は下の絵の元の色がそのままになりますが、

明るい部分はより明るい色に合成されます。

 

絵の中のハイライトに使用されます。

オーバーレイとは

元の絵
元の絵
オーバーレイレイヤー
(背景にグレーを置いています)
オーバーレイレイヤー
(背景にグレーを置いています)
合成後
合成後

オーバーレイは乗算とスクリーンが一緒になった機能です。

絵の中の明るい部分にはスクリーン、暗い部分は乗算で合成されます。

 

つまり明るいところはより明るく暗いところはさらに暗くなるため

絵のコントラストをつけるのに使用されます。

乗算、スクリーン、オーバーレイについてさらに詳しく知りたいときはこちらの記事をどうぞ。

取得優先度B

加算 

元の絵
元の絵
加算レイヤー
(背景にグレーを置いています)
加算レイヤー
(背景にグレーを置いています)
合成後
合成後

加算はスクリーンと同じく明るくする効果がありますが

加算がスクリーンと違う点はもっとも明るい色である白(RGB(255,255,255))になりやすいという点です。

スクリーン
スクリーン
加算
加算

白くなりやすいということは強い光を表現するのにぴったりの合成モードなので、

舞台で使用するスポットライトの力強い光を表現したり

金属などの照り返しが強い物質の光の表現に適しています。

 

スクリーンはスクリーンレイヤーに白かRGBの各値のいずれかが255である色がないかぎり、合成した結果が白になることはありません。

そのためスクリーンは元の絵の色味を大きく変化させずに色を明るくする効果があるため、

明るくするカテゴリーの中ではスクリーンが一番使用されます。

 

加算についての詳細はこちらの記事をご参照ください。

ビビッドライト

元の絵
元の絵
ビビッドライトレイヤー
(背景にグレーを置いています)
ビビッドライトレイヤー
(背景にグレーを置いています)
合成後
合成後

ビビッドライトはオーバーレイと同じコントラストをつけるカテゴリーに属する合成モードです。

オーバーレイよりも強くコントラストをつけます。

オーバーレイ
オーバーレイ
ビビッドライト
ビビッドライト

 

ビビッドライトレイヤー上の50%グレーより明るい色の部分は覆い焼き(カラー)の効果、

50%グレーより暗い色の部分は焼き込み(カラー)の効果が適用されます。

 

覆い焼きは色を明るくしますが白飛びしやすいという性質を持ち、

焼き込みは色を暗くしますが黒つぶれしやすいという性質を持っています。

 

とても強くコントラストがつくため、真夏の炎天下の日差しの中のような

陰が強く落ちやすいときの表現に使用するのに適しています。

 

ビビッドライトについての詳細はこちらの記事をご参照ください。

除算

暗い青、緑、黄色を合成モードで乗せた場合
暗い青、緑、黄色を合成モード通常で乗せた場合
暗い青、緑、黄色を合成モード除算で乗せた場合
暗い青、緑、黄色を合成モード除算で乗せた場合

除算は色を置き換えた結果、

C(シアン、水色)、M(マゼンダ、ピンク)、Y(イエロー)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のうちのどれかに近い色になりやすい性質を持っています。

明るく鮮やかな色になりやすいという風に表現されることがあります。

 

CMYRGBは自然界にはあまり存在しない人工的な色なので

除算は未来感のあるイラストの表現に使用します。

除算についての詳細はこちらの記事をご参照ください。

カラー

乗算
乗算
スクリーン
スクリーン
オーバーレイ
オーバーレイ
ハードライト
ハードライト
ソフトライト
ソフトライト
カラー
カラー

カラーはグリザイユ画法の色付けに使用される合成モードです。

グリザイユ画法の色付けにはカラー以外にも乗算やオーバーレイ、ソフトライト、スクリーン、ハードライトなどの合成モードが使用されます。

 

合成モードカラーの特徴は色のくすみの原因になる輝度をカラーレイヤー上からは拾わない点です。

グリザイユ画法はグレーで陰影を書き込むため色がくすみやすいという弱点がありますが

カラーの合成モードを使うことで他の合成モードよりもくすみにくくなります。

元の色
元の色

 

くすまないという点では明るくする効果のあるスクリーンや

スクリーンと乗算の機能が合わさったオーバレイ、

オーバレイと類似しているハードライトもくすみにくいのですが

レイヤーに塗った色と合成後の色が変わりやすいという欠点があります。

カラーは元の色味を比較的保持しやすいためグリザイユ画法の色付けによく使用されます。

 

カラーについての詳細はこちらの記事をご参照ください。

取得優先度CとDは各記事を参照してください。

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使えるようになるまでちょっとハードルが高いクリスタですが

このブログで使い方をくわしく説明しています。

 

クリスタの使い方でわからないことがあったら

わたしのTwitter(@dojinpolaris)の方までお気軽に質問くださいね。