【ブレンドモード ステップアップ講座5】 カラー比較(明・暗)、除算、差の絶対値、除外

クリスタの合成モード28種類について順番に解説している記事も5パート目になりました。

本記事では以下5つの合成モードについて解説します。

  • カラー比較(明)
  • カラー比較(暗)
  • 除算
  • 差の絶対値
  • 除外

本記事は基本からステップアップしたい人向けの内容になっていますので

クリスタの合成モードを使いこなしたい人はまずはパート1の記事をご参照いただくと良いと思います。

今回紹介する合成モードは使い所が限定されるため、知識としてこういう効果があるんだなと覚えておくくらいで大丈夫です。

  • クリスタの合成モードについてすべてを使いこなしている人はプロでもほとんどいないので、基本的な合成レイヤーの使い方さえ覚えていればイラストを描くのに問題はありません。使いたいものや気になるもののから効果を覚えていきましょう。
  • 今回ご紹介する合成モードの中では「除算」が使えるようになると良いと思います。

  • カラー比較(明・暗):他の写真やイラストを合成する場合に使用します。
  • 除算:色を明るくする効果があり、スクリーンよりも鮮やかな色を出せるが色相が変わることに注意が必要です。
  • 差の絶対値:2枚の画像の差分を出すときに使用します。
  • 除外:差の絶対値のコントラストを低くしたような仕上がりです。

カラー比較(明)・カラー比較(暗)

カラー比較(明)・カラー比較(暗)の違い

カラー比較(明・暗)はカラー比較レイヤー上の色と下のレイヤーの色の

RGBの合計値を比較して

  • カラー比較(明)の場合は大きい方の色を採用、
  • カラー比較(暗)の場合は小さい方の色を採用します。

 

RGB値は最大値の255に近くなるほど白っぽい色(=明るい色)、

最小値の0に近くなるほど黒っぽい色(=暗い色)になるという性質があります。

 

つまりカラー比較(明)の方は全体として明るい色になり

カラー比較(暗)の方は全体として暗い色に変化します。

カラー比較(明)

カラー比較(明)レイヤー上にRGB(0,50,100)の色、下のレイヤーにRGB(100,150,200)の色があるとします。

それぞれの合計値は以下です。

  • カラー比較(明)レイヤー:0+50+100=150
  • 下のレイヤー:100+150+200=450

カラー比較(明)では合計値が大きい方の色(明るい色)の方が採用されますので

下のレイヤーの色RGB(100,150,200)が合成した結果の色として表示されます。

カラー比較(暗)

カラー比較(暗)レイヤー上にRGB(0,50,100)の色、下のレイヤーにRGB(100,150,200)の色があるとします。

それぞれの合計値は以下です。

  • カラー比較(暗)レイヤー:0+50+100=150
  • 下のレイヤー:100+150+200=450

カラー比較(暗)では合計値が小さい方の色(暗い色)の方が採用されますので

カラー比較(暗)レイヤーの色RGB(0,50,100)が合成した結果の色として表示されます。

カラー比較(明)・カラー比較(暗)を使うのはこんなシーン

カラー比較は他のイラストや写真と合成するときに使用できます。

 

たとえばカラー比較(明)でイラストの中の黒で描かれた主線部分に写真と合成する場合。

カラー比較(暗)ではイラストの白背景を別の写真と合成する場合です。

除算

除算とは割り算のことです。

下のレイヤーの各RGB値に255を掛けた値を除算レイヤーの各RGB値で割ります。

計算式にすると 合成後の色=下のレイヤーの色×255÷除算レイヤーの色 です。

計算結果が255を超えた場合は255として処理します。

除算レイヤー上にRGB(0,50,100)の色、下のレイヤーにRGB(100,150,200)の色があるとします。

  • R: 100×255÷0=0
  • G:150×255÷50=765 →255を超えたので255として処理
  • B:200×255÷100=510→255を超えたので255として処理

合成後の色はRGB(0,255,255)となるはずなのですが、実際は白(255,255,255)になります。

これはたとえば除算レイヤー上の色が(1,50,100)だった場合は合成後の結果は(255,255,255)となります。

 

Rの値が1違うだけで結果が大きく変わってしまうを避けるため、

0のときの割り算の計算が通常の数学での扱いとは異なるようですね。

 

ともあれ、除算は結果として元の色より明るい色に置き変わります。

除算を使うのはこんなシーン

通常と除算の比較
通常と除算の比較

除算は明るくする合成モードなので、基本となる合成モードのスクリーンとどう使い分けるかを考えましょう。

 

スクリーンは合成後の色がスクリーンレイヤー上に塗った色に近い色になるため結果が予測しやすいのと、

元の絵の色味を生かしやすいというメリットがあります。

 

除算は合成後の結果が除算レイヤーに塗った色と色相が異なってしまうため

結果が予測しにくいというデメリットがありますが、

合成後の結果が鮮やかな色になりやすいというメリットがあります。

エアブラシツールなどでふわっと色をのせてハイライトをつけると

自然光では発生しないハイライトになるため、

未来感のあるイラストに合っていると思います。

差の絶対値

下のレイヤーの色のRGB値から差の絶対値レイヤー上の色のRGB値を引いて

結果がマイナスになった場合はプラスに変更します。

 

差の絶対値レイヤー上にRGB(50,150,250)の色、下のレイヤーにRGB(100,150,200)の色があるとします。

  • R: 100-50=50
  • G:150-150=0
  • B:200-250=-50→マイナスの場合はプラスに処理するので50

合成後の色はRGB(50,0,50)です。

 

差の絶対値レイヤー上の色が暗い場合(0に近い場合)は色の変化が少なく、

差の絶対値レイヤー上の色が明るい場合(255に近い場合)は色の変化が大きいです。

差の絶対値を使うのはこんなシーン

差の絶対値の使い方として有名なのが画像の差分確認です。

 

2枚のレイヤーがまったく同じ画像だった場合、

上のレイヤーを差の絶対値に変更すると真っ黒な画像になるという性質を利用し、

異なるところを確認したい画像を2枚重ねて1枚を差の絶対値に変更します。

除外

除外は差の絶対値と似た効果ですが、

差の絶対値よりコントラストが低めの仕上がりです。

 

差の絶対値レイヤーの色が50%グレーよりより明るいと減算に、

50%グレーより暗いと加算として処理されます。

  • 減算:元絵のRGB各値について減算レイヤーのRGB値を引き算した結果を表示します。引き算をすると値が0に近くなるため必ず暗くなります。引いた結果がマイナスになった場合は0として処理します。
  • 加算:上下レイヤーのRGB各値について足し算した結果を表示します。足すと値が255に近くなるため必ず明るくなります。足した結果が255を超えた場合は255として処理します。

 

差の絶対値レイヤーが黒だと下のレイヤーの色がそのまま表示され、

白だと下のレイヤーの色が反転して表示されます。

除外を使うのはこんなシーン

除外は通常のイラスト制作では使用する場面はあまりないでしょう。

まとめ

今回ご紹介した合成モードは使い方が難しいものが多かったですね。

まずは基本の乗算・スクリーン・オーバーレイが使えるようになることを優先しましょう。

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