クリスタの合成モード28種類について順番に解説している記事も4パート目になりました。
本記事では以下4つの合成モードについて解説します。
- ビビッドライト
- リニアライト
- ピンライト
- ハードミックス
本記事は基本からステップアップしたい人向けの内容になっていますので
クリスタの合成モードを使いこなしたい人はまずはパート1の記事をご参照いただくと良いと思います。
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基本となるオーバーレイとの違いを確認しましょう。今回紹介する合成モードの中では「ビビッドライト」が使えるようになるのがオススメです。
- クリスタの合成モードについてすべてを使いこなしている人はプロでもほとんどいないので、基本的な合成レイヤーの使い方さえ覚えていればイラストを描くのに問題はありません。使いたいものや気になるもののから効果を覚えていきましょう。
- 今回ご紹介する合成モードの中では「ビビッドライト」が使えるようになると良いと思います。
- ビビッドライト:オーバーレイよりコントラストを付けやすいですが、白飛び・黒つぶれに注意が必要です。
- リニアライト:ビビッドライトよりふんわりした仕上がりです。
- ピンライト:比較(明)と比較(暗)が混ざったものですが、使いにくいです。
- ハードミックス:色をRGBCMYK+白の8色に置き換えます。
ビビッドライト・リニアライト
ビビッドライト・リニアライトの違い
合成モード | 50%より明るい場合→画面を明るくする | 50%より暗い場合→画面を暗くする |
---|---|---|
ビビッドライト | コントラストを落とす | コントラストを上げる |
リニアライト | 明るさを増す | 明るさを落とす |
ビビッドライト・リニアライトともに
ビビッドライト・リニアライトレイヤー上にある色のうち
50%グレーより明るい色の場合は明るく、50%グレーより暗い色の場合は暗くする機能ですが
方法がビビッドライトが「コントラスト」、リニアライトが「明るさ」である点が違います。
明るさとコントラストと聞くと、色調補正を思い出しますよね。
ビビッドライト

ビビッドライトは
50%グレーより明るい色の場合は「明るさ・コントラスト」のコントラストを下げて絵を明るくし
50%グレーより暗い色の場合は「明るさ・コントラスト」のコントラストを上げて絵を暗くします。
ここ、すごくわかりにくいんですが
コントラストを下げるということは明るい部分を暗く、暗い部分を明るくして濃度差をなくすこと、
(上段左の画像はコントラストを下げて濃度差がなくなったせいで一面グレーになっています)
コントラストを上げるということは明るい部分をより明るく、暗い部分をより暗くすることです。
結果として
50%グレーより明るい色の場合はフラットになった結果、明るい部分が多くなって白飛びしやすくなり
50%グレーより暗い色の場合は暗い部分が増えた結果、黒つぶれしやすくなります。
リニアライトと比べるとメリハリがしっかりつき、元の絵の色合いが残った仕上がりです。
ビビッドライトは50%グレーより明るい色の場合は焼き込み(カラー)、
50%グレーより暗い色の場合は覆い焼き(カラー)が適用されるという説明がされるときもあります。
リニアライト
リニアライトはわかりやすく、
50%グレーより明るい色の場合は「明るさ・コントラスト」の明るさを上げて絵を明るくし
50%グレーより暗い色の場合は「明るさ・コントラスト」の明るさを下げて絵を暗くします。
結果として
50%グレーより明るい色の場合は明るくなるが白飛びしやすくなり
50%グレーより暗い色の場合は暗くなるが黒つぶれしやすくなります。
ビビッドライトと比べるとふんわりした感じでリニアライトレイヤーの色合いが残った仕上がりです。
色調補正の明るさ・コントラストについて詳しく知りたい人はこちらの記事をどうぞ。
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ビビッドライト・リニアライトを使うのはこんなシーン
オーバーレイのように明るいところ・暗いところを強調して絵を引き締めるのに使用します。
ビビッドライトはオーバーレイに比べるとコントラストを強く付けやすいため、
強い光が当たっている場面、例えば真夏の強い日差しの下にいるイラストに適しています。
白飛び・黒つぶれがしやすいので中間色を塗るのがよいでしょう。

リニアライトよりもビビッドライトの方が元の絵の色を生かしやすいので使いやすいと思います。
ピンライト
合成モード「ピンライト」は
ピンライトレイヤー上の色が50%グレーより明るい場合、合成モード「比較(明)」の効果、
ピンライトレイヤー上の色が50%グレーより暗い場合、合成モード「比較(暗)」の効果があります。
- 比較(明):RGB各値について明るい方の値(値が255に近い方)を残します
- 比較(暗):RGB各値について暗い方の値(値が0に近い方)を残します
RGB(10,50,100)の色とRGB(100,50,10)の色があった場合
比較(明)の場合、明るい方の値(値が255に近い方)が採用されますので
合成した後の色はRGB(100,50,100)です。
比較(暗)の場合、暗い方の値(値が0に近い方)が採用されますので
合成した後の色はRGB(10,50,10)です。
比較(明・暗)についてはより詳しい内容はこちらの記事をご参照ください。
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ピンライトを使うのはこんなシーン
ピンライトは色が大幅に変わる場合があり
効果が予想しずらいため使いこなすのが難しい合成モードです。
使い方を習得するのは後回しで大丈夫です。
ハードミックス
ハードミックスは絵の中の色が以下の8つの色に置き変わる合成モードです。
- 黒(0,0,0)
- 白(255,255,255)
- 赤(255,0,0)
- 緑(0,255,00)
- 青(0,0,255)
- シアン(0,255,255)
- マゼンダ(255,0,255)
- 黄色(255,255,0)
()の中はRGB値です。
置き換わりのルールはハードミックスレイヤー上の色と
下のレイヤーの色を足して、
255以上の値になった場合は255、255未満の値になった場合は0として処理します。
例えばハードミックスレイヤー上にRGB(10,100,200)の色があったとします。
下のレイヤーにあるRGB(100,100,100)の色にハードミックスレイヤーを重ねた場合
- R: 10+100=110 255未満なので0として処理
- G: 100+100=200 255未満なので0として処理
- B: 200+100=300 255以上なので255として処理
結果としてRGB(0,0,255)→青に置き変わります。
ハードミックスを使うのはこんなシーン
極端に色が変わるため、普通のイラストではあまり使用機会はないと思います。
アンディ・ウォーホルのポップアート風に加工したい場合に利用できるかもしれません。
まとめ
今回ご紹介した合成モードはコントラストを調整するものが多くありました。
オーバーレイとどう違うか、どんな特徴があるかを知っておくと使い分けがしやすくなると思います。
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