レイヤーの合成モードまずは3つ使えればイラストが描ける!ブレンドモード ステップアップ講座1

レイヤーの合成モードと言われてもピンとこないかもしれません。

レイヤーウィンドウで「通常」や「乗算」、「スクリーン」などを選ぶアレです。

合成モードとはレイヤーウィンドウで通常や乗算などを選択するアレである
合成モードとはレイヤーウィンドウで通常や乗算などを選択するアレである

通常と乗算は使えるけど、他のものはなんだかよくわからない・・・。

いつも適当に選んでアレコレいじっていると仕上がりが当初の絵から別物になっている。

調べてみてもそれぞれの合成モードにしたサンプル画像と難しい説明しか出てこなくて、どんなときにどの合成モードを使えばいいかよくわからない。

よくわからないからいつもイラストの解説書に描かれている通りに設定するだけになっている。

こんな人が大半だと思います。

 

合成モードはクリスタだと28個あり

28個すべての合成モードを使いこなしている人は

プロのイラストレーターやプロの写真家でもほとんどいません。

 

28個の合成モードの中には

プロもよく使う便利な合成モードとほとんど使う機会のない合成モードが入り混じっているからです。

 

それならまずは使う場面の多い合成モードから使えるようになればいいですよね。

 

本記事では28個の合成モードの中からプロがよく使う3つの基本的な合成モードについて説明し

3つの基本的な合成モードそれぞれの特徴と

どのような場合にそれらの合成モードを使用すればよいのかを解説します。

 

本記事を読んで

まずは一番よく使う合成モード3つについて使いこなせるようになりましょう!

 

クリスタの合成モード28個全部使えるようになる必要はありません。まずは乗算、スクリーン、オーバーレイの3つの合成モードを使いこなせるようになりましょう。

  • 乗算:主線や陰、色をのせる場合に使用します。乗算レイヤーを重ねるほど絵は暗くなっていきます。
  • スクリーン:乗算の反対で、スクリーンレイヤーを重ねるほど絵は明るくなっていきます。
  • オーバーレイ:オーバーレイレイヤーを重ねる下のレイヤーの暗い部分には乗算の効果を、明るい部分にはスクリーンの効果を与えます。暗いところはより暗く、明るいところはより明るくなるためコントラストが強い絵にすることができます。

合成モード(ブレンドモード)とは

クリスタでは「合成モード」、フォトショップでは「ブレンドモード」と呼ばれます。

その他のイラストアプリでは「合成モード」「ブレンドモード」どちらかの名称になっています。

この記事では以降は合成モードで統一しますね。

 

イラストアプリでは複数のレイヤーを使って絵を描いていきます。

レイヤーは英語で層という意味です。

 

レイヤーを使って絵を描くのを身近なものに例えると

サランラップを何枚も重ねてそれぞれに絵を描いているイメージです。

 

なんでそんなことをするかというと

主線を描いたサランラップの上に新しいラップを重ねてそこで色を塗った方が

下のサランラップに描いた線を擦って消したりしないためキレイに色が塗れますよね。

 

レイヤーに分けて絵を描いた方がいろいろ便利なため

イラストアプリではレイヤーという仕組みが使われているのです。

 

レイヤーをどのように下のレイヤーに重ねるかを決めるのが合成モードです。

合成モードを変更するのはどのような場面か

合成モードを変更するのはおおむね2つの場面です。

 

1つ目の場面は絵を描いている真っ最中です。

この場面では通常レイヤーと乗算レイヤーを使って色を塗っていきます。

 

通常レイヤーという新しい合成モードが出てきましたが、

これは不透明の紙に絵を描いているのと同じ、一番基本となる合成モードです。

 

通常レイヤーと乗算レイヤーは重ねた結果がどのようになるかが描いている人にわかりやすいため

絵を描いている真っ最中は基本的にこの2つの合成モードを使用します。

 

他の合成モードを使ってもいいのですが、

合成モードによっては塗っている色と画面に表示されている色が異なる場合があり

絵が描きづらくなってしまうためあまり使用されません。

 

2つ目の場面は絵の最後の仕上げの場面です。

この場面で合成モードの効果を上手に使い分けると以下のような表現をすることができます。

  • 瞳や髪のハイライトや陰部分を美しく表現する
  • 絵全体の空気感を演出する
  • 光のあたり具合を表現する
  • 陰色に反射光や差し色を入れる
  • 絵全体のコントラストを調整する
  • 絵に質感を加える

まずはこの3つの合成モードが使えるようになりましょう

クリスタには28個の合成モードがありますが、使用頻度が高いものと低いものに分けられます。

使用頻度が高く使いこなせるようになると便利なのは

  • 乗算
  • スクリーン
  • オーバーレイ

上記3つの合成モードになります。

なぜこれら3つの合成モードが使えればOKなのか

使用頻度が高いから

乗算は絵を描くときに頻繁に使用する合成モードです。

スクリーンとオーバーレイはイラストの中のハイライトと陰の部分の色の演出に使用します。

ハイライトと陰は立体感を表現するために外せない要素なので

スクリーンとオーバーレイはよく使用されます。

他の合成モードを理解するのに必要だから

オーバーレイは暗い場所に乗算、明るい場所にスクリーンの効果を与えますが

オーバーレイのように2つの合成モードの合いの子のような合成モードは他にもあります。

乗算・スクリーン・オーバーレイは基本となる合成モードなので

この3つの仕組みをまずは理解しておく必要があるためです。

使える合成モードの数は多くなくて良いから

クリスタの合成モードのプルダウンにずらっと28個並んでいると

全部の使い方を覚えなければいけないような気がしてしまいますが

すでに説明した通り28個の中には「差の絶対値」のようなほとんど使う場面がない合成モードもあります。

要するにテストで言うならば絶対テストに出るポイントさえ抑えればいいのです。

イラストを描くためには合成モード以外に覚えなければいけないことはたくさんありますし。

 

使う合成モードを限定してしまえば

28個もある合成モードをいろいろ試して、いたずらに時間がすぎてしまうのを避けたり

合成モードという機能に振り回されて仕上げの段階で加工をしまくり

自分が最初に描きたかったものからかけ離れた仕上がりになってしまうことを避けることができます。

乗算とは

乗算
乗算

では合成モードの説明に入りましょう。

 

乗算レイヤーは下の絵が透けている状態で透明フィルムに透明な絵の具で絵を描いて重ねることです。

透明な絵の具であっても重ねるとどんどん色が濁って暗くなっていきます。

 

乗算は体感的にわかりやすい合成モードなので

使ってみれば「こういうことね」とすぐにわかります。

 

乗算を使うのはこんなシーン

線を重ねる、陰をつける、色を乗せるなどいろいろな場面に使用します。

スクリーンとは

スクリーン
スクリーン

スクリーンでレイヤーを重ねると、

重ねたスクリーンレイヤーの中の暗い部分は下の絵の元の色がそのままになりますが、

明るい部分はより明るい色に合成されます。

 

乗算とは違いスクリーンレイヤーを重ねたときのイメージが難しいため

使用されるのは仕上げの場面です。

髪や瞳のハイライトなどによく使用されます。

 

乗算の反対という説明がよくされますが、正直イメージがしずらいですよね・・・。

スクリーンを使うのはこんなシーン

色のついたレイヤーをスクリーンで重ねて→絵のハイライト 

白以外の色でハイライトを描くと下の絵の色が明るくなったように合成されるので自然な色味になります。

白と黒で描かれたレイヤーをスクリーンで重ねて→型抜き表現

黒の部分は下のレイヤーの色がそのまま表示されるのを利用して

白ベタのレイヤーに黒で型抜きしたい図柄を描くとその部分のみ下の絵柄が表示されます。

同人誌の表紙などに使用できるテクニックです。

オーバーレイとは

オーバーレイ
オーバーレイ

絵の中の明るい部分には合成モード「スクリーン」、

暗い部分は合成モード「乗算」で合成されます。

 

つまり明るいところはより明るく暗いところはさらに暗くなるため

絵のコントラストをつけるのに有効です。

 

オーバーレイで重ねたレイヤーの色で

画面全体の色調を統一することもできるので絵全体にまとまりが出ます。

オーバーレイを使うのはこんなシーン

ナチュラル配色

薄黄色のレイヤーと青紫のレイヤーをそれぞれ作成し、

オーバーレイで絵に重ねることで

明るい部分が黄味がかり陰はほんのりと青紫になるため

ナチュラル配色を再現することができます。

ナチュラル配色とは

太陽光の関係で自然界では明るい色の方が黄色によって見え、暗いところが青紫に寄って見えます。

わたしたちが見慣れた、なじみのある配色がナチュラル配色です。

自然の中でキャラが配置されている絵や、親しみやすさ、暖かさを演出したい場合に有効です

グラデーションを美しく

ベタ塗りで色を塗ったレイヤーに白黒のグラデーションレイヤーをオーバーレイで重ねることによって

明るいところは鮮やかに暗いところは深く濃い色のグラデーションを作ることができます。

模様、テクスチャをつける

ベタ塗りで色を塗ったレイヤーに白黒で描かれた模様やテクスチャをオーバーレイで重ねることで

絵にニュアンスを与えることができます。

まとめ

イラストや写真を専門的に勉強した人でないと合成モードについての知識がないため

苦手意識を持っている人も少なからずいると思います。

でも覚えなければいけない合成モードは数種類しかないと知って

だいぶ気が楽になったのではないでしょうか。

合成モードについて詳しくなると

やみくもに合成モードを変更して仕上げに時間がかかったり

合成モードに振り回されることがなくなりますので

ちょっとだけ頑張って使いこなせるようになりましょう!

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