二値化を使ってアナログ絵をデジタル絵の主線データに変換しよう【クリスタ】

  • どうしてもiPadや液タブ、板タブだとうまく線がひけないんだよなぁ
  • アナログではいい感じに絵を描けるから、アナログ絵をクリスタに取り込んで色を塗りたいなぁ

そんなお悩みのお持ちの方はクリスタの二値化の機能を活用しましょう!

デジタルで絵を描く時に

最初から最後までデジタルでやらなきゃいけないというルールはありません。

アナログの方が上手に絵が描けたり、アナログの方が早く描けるなら

  • ○○と△△の作業はアナログ
  • □□と××の作業はデジタル

とアナログとデジタルで作業を分けるのも賢い選択肢ですよ。

実際、プロの漫画家さんやプロイラストレーターさんの中にも

イラストの構図決めはアナログで行う人や、

漫画のペン入れ作業までをアナログで行って

トーンやベタなどの仕上げ作業のみデジタルで行う人もいます。

出来上がる原稿の質が良く

入稿や納品の形式にちゃんとなっていれば

途中の作業がデジタルでもアナログでも全然OKなんですよ。

漫画の主線をアナログで描いてデジタルで仕上げ処理を行う場合

シャーペンや鉛筆のふんわり感を残したい場合は

二値化を行わずグレースケールで原稿を作成すればOKなのですが

インクで描いたような主線にしたい場合は色調補正の二値化を利用します。

本記事では

  • アナログ原稿をiPadのクリスタに取り込んでって二値化する方法
  • 二値化ってどういう仕組みなの?
  • 他の色調補正と二値化はどう違うのか

を解説していきます。

本記事を読んで

二値化を使いこなせるようになってアナログとデジタルで作業分業できるようになりましょう

二値化する写真を取り込んでレイヤー自体を二値化する場合、「レイヤーの変換」でラスターレイヤーに変更する必要がある点だけは注意が必要です。

  • iPadの写真アプリで撮影した写真をクリスタに取り込むときはファイル>読み込み>フォトライブラリから で取り込みます。
  • 写真レイヤー自体を二値化する場合、レイヤーの変換でラスターレイヤーに変更する必要があります。
  • 色調補正レイヤーで二値化する場合はレイヤーの変換は必要ありません。

  • トーンカーブやレベル補正でも二値化のような処理を行えますが、色調補正後のデータが二値(白と黒だけのデータ)になっていない場合がありますので、モノクロ原稿の場合は注意が必要です。

写真データのクリスタへの取り込み方

iPadの写真アプリで撮影した写真をクリスタに取り込むときはファイル>読み込み>フォトライブラリから で取り込み
iPadの写真アプリで撮影した写真をクリスタに取り込むときはファイル>読み込み>フォトライブラリから で取り込み

二値化の説明に入る前にクリスタへ写真を取り込む方法を確認しましょう。

写真データをクリスタに取り込むときは

ファイル>読み込み から写真データを選択します。

iPadの写真アプリを使って撮影した場合は「フォトライブラリから」を選択してください。

クリスタの二値化は2種類ある

二値化も他の色調補正と同様に

  • そのレイヤー自体の色味を編集する二値化(編集>色調補正>二値化)
  • 色調補正レイヤーとしての二値化(レイヤー>新規色調補正レイヤー>二値化)

の2種類の二値化があります。

他の色調補正の場合は基本的には2つ目の「色調補正レイヤー」を使用することを推奨しています。

理由は色調補正レイヤーの場合はレイヤー削除で簡単に元の画像に戻すことができるからです。

二値化の場合はやり直しをすることがあまりないと思いますので

2種類どちらのやり方でも問題ないと思います。

ただし「そのレイヤー自体の色味を編集する二値化」は

ヒストリーが消えてしまっていたらやり直しができませんので注意が必要です。

そのレイヤー自体の色味を編集する二値化(編集>色調補正>二値化)
そのレイヤー自体の色味を編集する二値化(編集>色調補正>二値化)
色調補正レイヤーとしての二値化(レイヤー>新規色調補正レイヤー>二値化)
色調補正レイヤーとしての二値化(レイヤー>新規色調補正レイヤー>二値化)

レイヤー自体の色味を編集する二値化の注意点

レイヤー自体に二値化をかける場合

取り込んだ写真をレイヤー>レイヤーの変換でラスターレイヤーに変更する必要があります。

写真レイヤーをラスターレイヤーに変更しないと色調補正をかけることができないので注意が必要です。

レイヤー>レイヤーの変換をタップ
レイヤー>レイヤーの変換をタップ
種類をラスターレイヤーに変更してOKをタップ
種類をラスターレイヤーに変更してOKをタップ

二値化の仕組みとやり方

では実際に二値化をやってみながら

二値化の仕組みについて説明していきますね。

二値とは

そもそも二値ってなんだろうと思っている人もいるかもしれません。

二値とは、白と黒だけで描かれたデータということです。

印刷所への本文入稿の形式としてモノクロ二階調という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

モノクロ二階調は二値(白と黒)だけで作られたデータのことで、

二値で色の濃淡を表すために網点などのトーンが使用されます。

その他の本文入稿形式としてグレースケールがありますが

これは白と黒以外に灰色(グレー)を使ってデータを作ることができる形式です。

グレースケールだと色の濃淡を灰色の濃淡で表現できるため

繊細でなめらかな絵を描くことができます

入稿時はグレースケールでも、実は印刷所で印刷するときには二値に変換されています。

とても細かい網点の二値データに変換されたあと印刷されるので

黒インク一色で印刷されていても灰色に見えるのです。

サンプル写真と仕上がり目標

サンプル写真
サンプルの写真

今回はこちらのイラストの写真を二値化で調整していきます。

色調補正をするときに大事なのは

どのような絵にしたいかを色調補正をする前にしっかり頭の中でイメージしておくことです。

今回はこちらの写真を

  • ノートの罫線は絵には不要なので消す
  • ペンのタッチは元絵に近づくようにする

上記2点を目標に調整していきます。

二値化を適用

では早速二値化を適用していきます。

閾値(しきいち)の初期値は「127」になっています。

スライダーを動かすか数値を直接入力して自分のイメージする仕上がりに近づけましょう。

閾値127の場合
閾値127の場合

ちなみに閾値(しきいち)とは、簡単にいうと境界線です。

二値化の場合は

閾値(しきいち)より左側の輝度の色は黒に、

閾値(しきいち)より右側の輝度の色は白に変えますよ、という値のことです。

閾値は左から右へ1から255の間で設定します。

  • 閾値を小さくすると(スライダーを左に寄せると)補正後の絵は白く
  • 閾値を大きくすると(スライダーを右に寄せると)補正後の絵は黒くなります。

理屈は覚える必要はないので

自由にスライダーを動かしてイメージに近い画像になったらOKボタンで確定してください。

閾値1の場合
閾値1の場合
閾値61の場合
閾値61の場合
閾値196の場合
閾値196の場合
閾値255の場合
閾値255の場合

今回は閾値109で二値化を決定します。

閾値109で二値化を決定
閾値109で二値化を決定

トーンカーブで写真を修正した場合

トーンカーブでも二値化と同じような編集は可能だが・・・
トーンカーブでも二値化と同じような編集は可能だが・・・

上の画像はトーンカーブを使用して

ノートの罫線を消し、元の絵のタッチに近いように調整した画像です。

二値化後の絵とほとんど変わらないように見えますよね。

トーンカーブやレベル補正でも

二値化をした結果と似たような調整をすることは可能です。

カラーイラストの場合はトーンカーブやレベル補正で

取り込んだアナログ絵を調整しても問題ないのですが

モノクロの本文データに使用する場合は注意が必要です。

二値化した絵とトーンカーブで調整した絵をそれぞれ拡大してみましょう。

二値化の拡大図
二値化の拡大図
トーンカーブ調整後の拡大図
トーンカーブ調整後の拡大図

拡大してみると

トーンカーブで調整した方の絵は線が茶色なのがわかると思います。

二値化した後の絵は白と黒のみで構成されているので、

モノクロ原稿で使うのに何も問題はありません。

トーンカーブで調整した絵は白と黒以外の色が残っている場合がありますので

このデータをモノクロ原稿で使用し、

入稿データをモノクロ二階調で出力した場合はモアレが発生する可能性があります。

モノクロ二階調のモアレについてはすこし難しい話になってしまいますので詳細は割愛します。

トーンカーブはカラーイラストのコントラスト調整や色の調整に使うのには便利ですが

アナログ絵のモノクロ主線化に使うときは注意してくださいね。

レベル補正もトーンカーブと同様です。

まとめ

二値化の仕組みはわかりましたでしょうか。

デジタルはいくらでも修正が可能というメリットがありますが

逆にそれがデメリットになってしまう場合があります。

デジタルだと作業に緊張感が持てない、

デジタルだといつまでも修正してしまって作業に終わりがない、

そんな理由で一部の作業をアナログで行っているプロもいます。

ぜひデジタルにこだわらず

自分のやりやすい方法を見つけてください。

色調補正の記事で何度も繰り返していますが

自分の中でどういう仕上がりを目指しているかを明確にすることが一番大事です。

目指す目標がないと色調補正の機能に振り回されてしまいます。

自分の望む仕上がりに近づけるためにどの色調補正を使えばいいかを選択できれば

お絵描き上級者と言ってもいいのではないでしょうか。

理論も大事ですが実際に操作して、からだで覚えることも大事です。

恐れずにどんどん使ってみましょう!

その他の色調補正機能の解説記事

こちらの記事もぜひ読んでみてくださいね。

まだクリスタを持っていないあなたへ

クリスタ(正式名称はClipStudio)は漫画やイラストを描くためのソフトです。

iPad版も発売されておりパソコン版と同じ機能が使用できます。

はじめてデジタルで絵を描こうとしている人には

クリスタは扱いが難しすぎるのでオススメできません。

しかし

  • 将来的にプロの漫画家やプロのイラストレーターになりたい!
  • 同人誌を作って即売会で販売したい!

こんな人にとってはクリスタを使いこなせることは大きな強みです。

まだクリスタを持っていない人はまずは無料体験で使ってみましょう。