色調補正の「階調化」と「階調の反転」はどんなときに使うの?【クリスタ】

クリスタの色調補正の中に「これはいったい何に使うんだろう?」という機能はありませんか。

たとえば階調化と階調の反転はどうでしょう。

それぞれの機能は以下です。

  • 階調化:イラストや写真で使用されている色を少なくして単純化する機能
  • 階調の反転:階調を反転させる機能(白を黒に、赤を水色に、緑をピンク色に etc.)

それぞれの機能がわかったところで、

階調と階調の反転をどのような場面で使用するか想像ができますでしょうか。

けっこう難しいですよね

階調化、階調の反転のように

使い方も効果もわかるけどいったいどんな場面で使用するかわからない機能って

すごくもったいないですよね。

本記事では

  • 階調化、階調の反転ってそもそもなに?
  • 階調化、階調の反転ってどういう仕組みなの?
  • 階調化、階調の反転をどう活用するのか

を解説していきます。

本記事を読めば

こんなときには階調化・階調の反転を利用すれば楽勝よね!と判断できるようになりますよ。

【結論】階調化は写真を利用して背景を描くときに、階調の反転は失望などの心情表現や回想表現、白・メタルインク刷りの原稿に使用します。

  • 階調化は「ポスタリゼーション」と呼ばれる場合があります。
  • 写真を元にイラストの背景を作成する場合、写真の情報量を少なくしてイラストになじませるために階調化を使用します。
  • 階調の反転は「ガーン!」「えっ・・!?」のような失望の感情表現を表す効果として使用されます。
  • 漫画原稿での階調の反転は走馬灯や過去回想、モノローグの演出で使用されます。
  • 黒や紺、えんじ色などの濃い色の紙に白インクやメタルインクで印刷する場合の原稿に階調の反転を使用する場合があります。

クリスタの階調化・階調の反転は2種類ある

階調化・階調の反転も他の色調補正と同様に

  • そのレイヤー自体の色味を編集する階調化・階調の反転(編集>色調補正>階調化・階調の反転)
  • 色調補正レイヤーとしての階調化・階調の反転(レイヤー>新規色調補正レイヤー>階調化・階調の反転)

の2種類の階調化・階調の反転があります。

基本的には2つ目の「色調補正レイヤーとしての階調化・階調の反転」を使用してください。

理由は色調補正レイヤーで階調化・階調の反転を編集すれば

うまく調整できなかった場合レイヤーを削除すれば元通りの色味に戻すことが可能だからです。

「そのレイヤー自体の色味を編集する階調化・階調の反転」で階調化・階調の反転をすると

後から気に入らなくて元に戻したくても

ヒストリーが消えてしまっていたら元に戻せませんので注意が必要です。

そのレイヤー自体の色味を編集する階調化(編集>色調補正>階調化)
そのレイヤー自体の色味を編集する階調化(編集>色調補正>階調化)
色調補正レイヤーとしての階調化(レイヤー>新規色調補正レイヤー>階調化)
色調補正レイヤーとしての階調化(レイヤー>新規色調補正レイヤー>階調化)

階調化の仕組みとやり方

では実際に階調化をやってみながら

階調化の仕組みについて説明していきますね。

階調化が使用される場面

階調化が使用されるのは主に写真を加工する場合です。

イラストの場合は写真を元に背景を作成する場合に

写真の情報量を少なくしてイラストになじむようにするために階調化を使用します。

サンプル写真と仕上がり目標

サンプルの写真
サンプルの写真

今回はこちらの写真を色調補正で調整していきます。

色調補正をするときに大事なのは

どのような絵にしたいかを色調補正をする前にしっかり頭の中でイメージしておくことです。

今回はこちらの写真を

  • イラストの背景に使用するので泡や海藻を減らして単純化する
  • イラストになじむようにする

この2点を目標に調整していきます。

イラストを写真に合成

イラストを写真に合成
イラストを写真に合成

クラゲのイラストはわたしが描いたものです。

このクラゲのイラストが背景の写真になじむように階調化を操作してみましょう。

階調化数を決める

階調化数 8
階調化数 8

階調化の度合いは2から20の間で選べます。

階調化を開くと最初は8に設定されていますので、イメージに近くなるように調整していきます。

階調化数が小さいほど使われる色が少なくなり、情報量が減ります。

階調化数が大きいほど元の写真に近づきます。

階調化数 2の場合
階調化数 2の場合
階調化数 20の場合
階調化数 20の場合

今回は階調化数を4に設定しました。

階調化数4に設定
階調化数4に設定

トーンカーブで色味の調整

トーンカーブのRGBチャンネルでコントラストを強く
トーンカーブのRGBチャンネルでコントラストを強く
Blueチャンネルで海中の黄色を減らす
Blueチャンネルで海中の黄色を減らす

色がイラストに合わなかったのでトーンカーブで色味を調整します。

本記事でトーンカーブの操作の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。

RGBチャンネルでコントラストを強調するためにトーンカーブをS字にします。

この操作で空が明るく海中は暗くなりました。

続いてBlueチャンネルで海中の黄色を減らすために

トーンカーブの左半分をちょっとだけ左上方向に寄せます。

階調化のレイヤーを最上段に

階調化の色調補正レイヤーを一番上に移動
階調化の色調補正レイヤーを一番上に移動

まだイラストが背景から浮いているので、

階調化の色調補正レイヤーを一番上に移動し、

イラストのレイヤーにも階調化が適用されるようにします。

これで加工は完了です!

階調の反転の仕組みとやり方

つぎは階調の反転を見ていきましょう。

サンプルイラスト

サンプルイラスト
サンプルイラスト

今回はこちらのイラスト(わたしが描いた猫の絵)を使用して

階調の反転を説明します。

階調の反転を適用

階調の反転を適用
階調の反転を適用

イラストに階調の反転をかけました。

設定項目は何もないので説明も特にありません。

階調の反転を使用する場面

階調の反転は

  • イラストや動画で「ガーン!」「えっ・・!?」のような、失望の感情表現を表す場面
  • 漫画原稿の場合は走馬灯や過去回想、モノローグの演出

で使用されます。

あまりないケースですが

  • 白インクやメタルインクで印刷する場合の原稿データを作成する場合

にも階調の反転を使用します。

階調の反転で白インクやメタルインクで印刷する場合の原稿データを作成する場合

同人誌を印刷する時、

通常は白いや淡い色の紙にカラーインクや4色インクで印刷します。

上記のような仕様の同人誌が大半ですが、

ダークなイメージの同人誌や重厚な雰囲気を出したいときに

濃い色の紙に白インクやメタルインクで印刷する場合があります。

例えば以下のようなセットです。

プリントオンのホワイトセット(プリントオンの公式サイトに飛びます)

白インクの原稿で気をつけることは

原稿の黒の部分に白インクが印刷されるということです。

わたしたちが原稿を作る時、

黒く印刷されて欲しいところを黒で描きます。

濃い色の紙に白インクで刷る場合の原稿を作るときは

白インクで刷ってほしいところを原稿で黒く描かないといけません。

印刷所が印刷で使う版を作るとき

原稿の黒い部分に当たるところにインクが通る穴を開けるからです。

濃い色の紙に白インクで刷る場合は

通常の原稿から白黒が逆転していないといけないということです。

実際のイラストを元に解説

先の説明を実際のイラストを用いて解説しますね。

白インク刷りの元の原稿
白インク刷りの元の原稿

この絵をそのまま白インク刷りの原稿として入稿したとします。

絵としてはちょっとおかしな感じに
絵としてはちょっとおかしな感じに

さきほどの絵をもとに黒い紙に白インク刷りした場合、

上の絵のような仕上がりになります。

黒目が白く、目のハイライトが黒く印刷されて

絵としてはちょっとおかしな感じですね。

階調の反転をしたこちらの原稿を白インク刷りの原稿とした場合はどうでしょう。

階調の反転をした原稿で入稿すると元のイラストに近い仕上がりに
階調の反転をした原稿で入稿すると元のイラストに近い仕上がりに

原稿で黒になっている顔や耳の部分は白インクが濃く

原稿で白になっている主線の部分には白インクが乗らないので

元のイラストに近い感じに印刷されます。

まとめ

階調化・階調の反転の仕組みはわかりましたでしょうか。

階調化について、イラストの背景の写真加工に使用する場合は

筆でタッチを追加したりフィルタを適用することで

もっとイラストになじむようになると思います。

階調の反転についてはそんなに使う機会はないかもしれませんが

こういう機能があるということさえ知っておけば今は大丈夫です。

いつか使う機会があると思います。

色調補正の記事で何度も繰り返していますが

自分の中でどういう仕上がりを目指しているかを明確にすることが一番大事です。

目指す目標がないと色調補正の機能に振り回されてしまいます。

自分の望む仕上がりに近づけるためにどの色調補正を使えばいいかを選択できれば

お絵描き上級者と言ってもいいのではないでしょうか。

理論も大事ですが実際に操作して、からだで覚えることも大事です。

恐れずにどんどん使ってみましょう!

その他の色調補正機能の解説記事

こちらの記事もぜひ読んでみてくださいね。

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