
どういう人向けの記事か
こちらの記事のシリーズはデジタルでのお絵描きはある程度できて、これから同人誌を発行してみたいという同人誌発行初心者さん向けの記事です。
漫画・イラスト・小説、どの形の同人誌でも大丈夫な内容です。
同人誌を発行したことがある方でも締切までに原稿が終わらなくて新刊を落としてしまった経験のある方や原稿をしなきゃと思いながらもなかなか取り掛かることができない方にも本シリーズはオススメです。
記事を読んで得られること
同人誌発行という目標に向けて、スケジュールの立て方やスケジュール通りに作業を進めるためのテクニック、もし締切に間に合わなそうならば何を取捨選択するかの考え方について解説します。
漫画の描き方や絵画技法、クリスタの使い方、印刷所への入稿については解説しているサイトや本が多く、わたし以上に詳しい方が多くいるため本ブログでは扱いません。
同人に関わる法律と権利関係の知識については必要な範囲で解説しますが、同人界隈の慣習や常識については詳しく記載しない予定です。
記事を読み終えるとどうなるのか
同人初心者の方でもスケジュール通りに原稿を完成させてはじめての同人誌を手にする感動を味わえるようになります。
本シリーズのまとめページはこちら。
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【結論】イベントで売り切れなかった同人誌は全部を書店委託するとイベント以外の期間でも在庫が動くのでオススメ
【おさらい】同人誌発行までのおおまかな流れ

同人誌作成工程のうち、「2.締切を決める」「3.ページ数を決める」「4.内容の決める」の工程を間違わなければ8割の確率で同人誌を発行できます。
あとの2割は「8.表紙を作成する」「9.本文を作成する」の作業中の集中力と作業の習慣化です。
この記事は「7.印刷所を決める」の段階で決定する印刷部数について、在庫を同人誌の書店委託することをオススメする理由について解説します。
在庫を家で保管することのデメリット3つ
初めての同人誌の部数を決める基準を説明した記事で在庫は家で保管するべきではないと記載しました。
その理由は3つありますので順に説明しますね。
部数を決める記事はこちらです。
【はじめての同人誌作成講座】 オススメ印刷部数が100部の3つの理由
どういう人向けの記事かこちらの記事のシリーズはデジタルでのお絵描きはある程度できて、これから同人誌を発行してみたいという同人誌発行初心者さん向けの記事です。漫画・イラスト・小説、どの形の同人誌でも大丈...
1. 家に保管している間は在庫が一切減らない
一番のデメリットはあなたの家で在庫を保管している間は一切在庫が減らないことです。
次のイベント用として保管していたとしても、次のイベントは3カ月〜半年先だと思います。
その間に在庫を家で寝かせておくのはもったいないです。
在庫を通販に入れておくとあなたが仕事や学校に行っている間にもイベントに参加できなかった遠方の方が購入してくれる可能性がありますよ。
2. 在庫を家で保管すると心理的に悪影響がある
在庫を家で保管していると「売れなかった在庫を抱えている」という心理的な悪影響があります。
あなたの家の中で在庫が大きなスペースを占めているほど影響は大きくなっていきます。
押し入れやクローゼットを開けるたびに在庫の段ボールが目に入ってゆううつな気分になるくらいならば通販に入れて目に入らないようにした方が良いと思います。
3. 家で保管していると在庫が痛む可能性がある
押し入れに占めるスペースを削減するために別の段ボールに移し変えたり、そもそも段ボールに入れずに保管していたりすると、角が折れたり紙が日光焼けしたりして売ることが難しい状態になることがあります。
せっかく作った大事な同人誌なんですからキレイな状態で保管できる場所で管理した方が良いとわたしは思います。
同人誌の書店委託とは
在庫は全部同人誌委託業者に入れることをわたしはオススメしていますが、そもそも同人誌の委託業者とはなんなのでしょうか。
同人誌の委託業者とは手数料をもらって通信販売や実店舗であなたの同人誌の販売を代行してくれる業者のことです。
代表的な同人誌委託業者
代表的な同人時委託業者は以下4つです。
- とらのあな(最大手)
- メロンブックス/フロマージュ(男性向けがメロンブックス、女性向けがフロマージュ)
- BOOTH(Pixivのサービスのひとつ。実店舗は持たない)
- まんだらけ
これらの業者以外に同人誌のデータをダウンロードで販売しているDLSiteなどの委託業者もありますが、今回は紙媒体の同人誌の委託販売をしてくれる業者のみを紹介しています。
わたしはとらのあなさんとのお取引がメインなので、以降の説明は基本的にとらのあなさんの説明になっております。
書店委託する5つのメリット
書店委託をするメリットを説明していきますね。
1. イベント以外の期間でも同人誌を売ることができる
書店委託をすると通販サイトから24時間365日あなたの同人誌を販売できます。
イベントのみで販売した場合はイベント当日の6〜8時間の間しか販売できませんから販売期間に大きな差が出ますよね。
2. イベントに来ることができない人にも購入してもらうことができる
通販の大きなメリットは日本中のどこに住んでいる人にもあなたの同人誌を届けることができることです。
離島などに住んでいてイベントに参加することが距離的に難しい人は通販でしか同人誌を入手できない場合があります。
また、育児や介護で家から離れることが難しい人、病院に入院していてイベントに参加できない人にもあなたの同人誌を届けることが可能です。
あなたの本がどんなに欲しくてもさまざまな理由でイベントに行けない人がいるということを考えると、在庫うんぬんを抜きにしても通販は行った方が良いと思います。
3. イベントで売れ残った在庫を会場から直接納品できる場合がある
書店委託への同人誌の納品方法は印刷所から書店へ送ってもらうのがメインの送付方法になります。
コミケやコミックシティなどの大規模イベントの場合、あなたの在庫を無料で書店の倉庫に持っていってくれるサービスを行っているときがあります。
イベントで売れ残ってしまった在庫を家に送る場合には宅配便の代金がかかりますし、自力で持って帰るのも大変ですよね。
そういう時に書店さんへイベント会場から直接納品できるのは非常に便利ですしとってもお得です。
4. 書店在庫をイベントに送ってもらえる
多少の手数料がかかりますが書店委託をお願いしている同人誌の在庫をイベント会場に送ってもらえるサービスがあります。
書店委託を倉庫の代わりに使ってしまうということです。
預けている間に売ることもできますし一石二鳥ですよ!
5. 在庫の処分を行ってもらえる
書店委託をお願いした同人誌が売れ残ってしまった場合は在庫の廃棄をお願いすることが可能です。
とらのあなさんでは2021年2月現在では無料で在庫の廃棄を行ってもらえます。
自分で在庫を廃棄しようとした場合、専門業者に行ってもらおうとすると配送料と廃棄手数料で数千円かかってしまいます。
自宅の在庫を廃棄したい場合に利用できる業者はこちらがあります。
ウエストウイングは同人誌在庫のイベント間輸送や倉庫管理を行ってくれる業者さんで、サークル参加者にはなじみのある業者さんです。
書店委託する2つのデメリット
メリットが多い書店委託ですが、デメリットももちろんあります。
1. 委託審査に通らない可能性がある
書店側で販売することが難しいと判断した本の場合は取扱いを断られる場合があります。
どういう基準で落としているのかは残念ながらよくわかりません。
売れる見込みがあまりにない同人誌は落とされるのだと予想されますが、わたし自身審査に落ちた経験がなく、周囲の同人作家さんからも書店審査に落ちたというお話を聞いたがありません。
2. 販売手数料がかかる
書店委託の一番大きなデメリットが販売手数料がかかることです。
販売価格の30〜40%程度の販売手数料をとられます。
たとえば500円を書店への卸値とした場合、手数料40%だとすると書店での販売価格は834円です。
ここにさらに消費税が課税されるので税込の販売価格は917円になり、送料が別途かかる場合もあります。
上記のシミュレーションでは書店委託手数料を購入者に負担してもらう形で計算しましたが、あなたが手数料を負担する形にすることももちろん可能です。
あなたが手数料を負担する場合は卸値が300円で税抜本体価格が500円ですね。
販売手数料が高いと思うかもしれませんが人件費や在庫保管の倉庫代金、店舗代、梱包代金、通販システムの維持費用などを考えればある程度妥当な料率ではないかと思います。
まとめ
どんなに良い同人誌を作っても欲しい人の手に届ける手段がないと売り切ることは難しいです。
書店委託にぜひチャレンジしてみましょう。