
どういう人向けの記事か
こちらの記事のシリーズはデジタルでのお絵描きはある程度できて、これから同人誌を発行してみたいという同人誌発行初心者さん向けの記事です。
漫画・イラスト・小説、どの形の同人誌でも大丈夫な内容です。
同人誌を発行したことがある方でも締切までに原稿が終わらなくて新刊を落としてしまった経験のある方や原稿をしなきゃと思いながらもなかなか取り掛かることができない方にも本シリーズはオススメです。
記事を読んで得られること
同人誌発行という目標に向けて、スケジュールの立て方やスケジュール通りに作業を進めるためのテクニック、もし締切に間に合わなそうならば何を取捨選択するかの考え方について解説します。
漫画の描き方や絵画技法、クリスタの使い方、印刷所への入稿については解説しているサイトや本が多く、わたし以上に詳しい方が多くいるため本ブログでは扱いません。
同人に関わる法律と権利関係の知識については必要な範囲で解説しますが、同人界隈の慣習や常識については詳しく記載しない予定です。
記事を読み終えるとどうなるのか
同人初心者の方でもスケジュール通りに原稿を完成させてはじめての同人誌を手にする感動を味わえるようになります。
本シリーズのまとめページはこちら。
どういう人向けの記事かこちらの記事のシリーズはデジタルでのお絵描きはある程度出来て、これから同人誌を発行してみたいという同人誌発行初心者さん向けの記事です。漫画・イラスト・小説、どの形の同人誌でも大丈...
【結論】初めての同人誌作成とイベント参加するためには4万5千円程度のお金の準備が必要。
【おさらい】同人誌発行までのおおまかな流れ

同人誌作成工程のうち、「2.締切を決める」「3.ページ数を決める」「4.内容の決める」の工程を間違わなければ8割の確率で同人誌を発行できます。
あとの2割は「8.表紙を作成する」「9.本文を作成する」の作業中の集中力と作業の習慣化です。
この記事は「1.出すことを決める」の段階で知っておいて欲しい初めての同人誌作成に関わるお金の話について解説します。
初めての同人誌作成で黒字化するのはかなり難しい
初めて同人誌を作るにあたり、多くの人は同人誌がいっぱい売れてもうかったらどうしよう!と妄想するかもしれません。
結論を最初にお伝えしますと初めての同人誌でもうけが出る人はほとんどいません。
初めてだから黒字にならないというより同人活動で黒字になろうとすることが難しいです。
サークル参加者の7割が赤字
2010年の調査記録なのでだいぶ古い情報ですがコミックマーケットの主催団体が行ったアンケートによると、サークル参加者のうち7割程度の人が赤字という結果が出ています。
同人活動で黒字になりたいならば、SNSでの知名度を上げてある程度の品質が担保された同人誌を作り続ける必要があります。
同人誌作成&イベント参加にかかる費用は約4万5千円。対して売上は約2万5千円なので2万円の赤字は覚悟しよう。
同人誌でもうけるのは難しいと知って同人誌を作る気力がなくなってしまった方は同人誌を作るのはやめた方がいいでしょう。
お金を稼ぐだけならアルバイトをしたり副業をした方が効率が良いです。
最初は赤字でもいいからわたしは同人誌を作りたいんだ!という方は以降の記事を読んでください。
費用と売上の内訳の詳細を説明しています。
費用合計 43,100円
同人誌を作ってイベントに参加するためにかかるお金を試算した結果、43,100円になりました。
内訳は以下です。
- 印刷費用(オフセット/フルカラーPPセット/A5/20ページ/100部) 24,000円
- イベント参加費 6,500円
- 設営用品代 3,000円
- ポスター印刷代(オンデマンド/フルカラー/B1/1部) 3,000円
- お品書き印刷代(コンビニ複合機出力/フルカラー/A4/1部) 100円
- 無料配布のポストカード代(オフセット/フルカラー/はがきサイズ/200部) 2,500円
- イベント当日の交通費、食事代 4,000円
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
印刷費用(オフセット/フルカラーPPセット/A5/20ページ/100部) 24,000円
はじめての同人誌はフルカラーPPセットで20ページ、100部にすることをオススメしています。
計算に使用した金額は某有名印刷所の料金表を百円以下を丸めた数値にしてあります。
フルカラーPPセット、20ページ、100部をオススメしている理由は下記記事でそれぞれ説明しています。
【はじめての同人誌作成講座】単色・多色刷り同人誌が売れない理由3つ
どういう人向けの記事かこちらの記事のシリーズはデジタルでのお絵描きはある程度できて、これから同人誌を発行してみたいという同人誌発行初心者さん向けの記事です。漫画・イラスト・小説、どの形の同人誌でも大丈...
【はじめての同人誌作成講座】何ページにするか、ページ構成について
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【はじめての同人誌作成講座】 オススメ印刷部数が100部の3つの理由
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イベント参加費 6,500円
イベント参加費はコミックシティの参加費を参考にざっくりとした値で計算しました。
コミックマーケットはより高く(8,000円程度)、スタジオYOUのイベントはより安い(4,500円程度)傾向にあります。
設営用品代 3,000円
スペース敷布やポスタースタンドなどの購入代金を大体3,000円としました。
ポスター印刷代(オンデマンド/フルカラー/B1/1部) 3,000円
スペースを目立たせるために多くのサークルはポスターを用意します。
グラフィックやプリントパックなどの格安ネット印刷を利用して印刷した場合、大体3千円程度になります。
お品書き印刷代(コンビニ複合機出力/フルカラー/A4/1部) 100円
そのスペースで販売している同人誌がどんな内容か、一冊何円かを買い手にわかりやすく示すために作成するのがお品書きです。
スペースで販売する同人誌が1種の場合はあまり必要はありませんが、SNSでの告知にも使用できるので作成するのが良いでしょう。
コンビニにある複合機からネット経由で印刷した場合の料金を計算値としました。
無料配布のポストカード代(オフセット/フルカラー/はがきサイズ/200部) 2,500円
無料配布は広報活動の一部なので必須で用意する必要はありません。
ポストカードやチラシなどを作成して同人誌を買ってくれた人へのお礼としてつけたり、名刺がわりにスペースに来てくれた人に配布したりといろいろ便利です。
グラフィックやプリントパックなどの格安ネット印刷を利用すれば安い値段で作ることができます。
イベント当日の交通費、食事代 4,000円
関東近郊から東京ビッグサイトまでの往復の交通費とコンビニでお昼を購入した場合の費用を合計で4,000円としました。
遠方のイベントに参加する場合は前泊の宿泊費や新幹線代、飛行機代でもっと高い金額になる可能性があります。
売上合計 25,500円
100部刷った同人誌のうち、50部がイベント、50部が書店委託で売れたとして計算しました。
落丁があったときのために余部が何冊か付いているのが普通ですが今回は100冊ぴったりで計算しています。
イベント売上 300円×50冊=15,000円
イベントでの販売価格を300円として50冊売れた場合の売上金額です。
委託売上 210円×50冊=10,500円
とらのあななどの同人誌委託業者に50部委託をお願いして全部売れた場合の売上金額です。
業者の手数料が30%で、手数料をあなたが負担して販売価格を300円とした場合の卸値210円で計算しました。
費用削減・売上増加のアイデア
赤字を少しでも減らしたい場合のアイデアを最後に記載しますね。
費用削減アイデア
- 印刷費用を早割で割引する
- オフセット印刷ではなくオンデマンド印刷を利用する
- 安い印刷所を探す
- 友人と合同スペースにしてスペース代を複数人で負担する
- 設営で使う布などを自宅にあるもので代用する
- ポスターをコンビニコピー機や自宅のプリンターで出力する
- 無料配布をしない
売上増加アイデア
- 販売価格を上げる
- 委託手数料を買い手負担にする
まとめ
はじめての同人誌作成で黒字化するのはかなり厳しいですが、早割を利用するなどしてできるだけ赤字を少なくできるようにがんばりましょう!