前回の記事でカスタムフォントとは自分でiPadに追加したフォントであること、インストール方法が大きく分けると2種類あることを紹介いたしました。
カスタムフォントの2種類あるインストール方法のうち、1つ目はApp Storeから配布されているフォントインストールアプリ(Fontinstall.appなど)からインストールする方法です。
2つ目のインストール方法はフォントデータをAnyFontなどのアプリを使用してインストールする方法です。
本記事ではiPadのフォント関連を解説させていただくシリーズ記事の第3弾として
- カスタムフォントインストール方法2種類についてくわしく説明
- なぜカスタムフォントはインストール方法が2つあるのか、その背景
- フリーフォントを安全に利用するには
を解説します。
iPadはフォント周辺の設定が複雑なのでわからない用語がたくさん出てきたりどこから設定すればよいのかがわからなかったりします。
本記事を読むとどのようにカスタムフォントのインストール方法2種類を使い分ければ良いのかを知ることができますよ。
前回の記事はこちら。
[card id ="1208"]本シリーズのまとめ記事はこちら。
[card id ="1252"][mokuji]
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【結論】フォントインストールアプリからはアプリ内に収録されたフォントしかインストールできない
- 1つ目のフォントインストールアプリからインストールする方法はそのフォントインストールアプリ内で用意されているフォントの中からしかインストールするフォントを選ぶことができません。
- 2つ目のAnyFontなどを使用してインストールする方法は自分でフォントデータを用意する必要があり、フォントデータを用意すれば自由にiPadへフォントの追加が可能です。
カスタムフォントインストール方法は2種類あります
カスタムフォントのインストール方法は大きく分けると2つに分かれると前段で説明いたしました。
今後のそれぞれの呼び方について
- 1つ目のApp Storeから配布されているフォントインストールアプリ(Fontinstall.appなど)からインストールする方法を①フォントインストールアプリ
- 2つ目のフォントデータをAnyFontなどのアプリを使用してインストールする方法を②フォントプロファイルインストールアプリ
とします。
②フォントプロファイルインストールアプリはわたしが作った本ブログ内のみの呼び方です。
①フォントインストールアプリ
①フォントインストールアプリとは
簡単に言うとフォントメーカーが作成したフォントのサブスクリプションアプリです。
モリサワやフォントワークスなどの有名フォントメーカーのフォントを定額料金で使用できます。
2019年11月に発表されたiPadOS13で実装された設定>一般>フォント機能を使用してフォントの管理を行います。
①フォントインストールアプリの場合、各アプリが用意したフォントの中から使用したいものを選んでインストールすることになるため、自分が用意したフォントデータを使用して好きなフォントをiPadにインストールする用途には使用できません。この用途には②フォントプロファイルインストールアプリを使用します。
代表的な①フォントインストールアプリ
()内は提供元です。
- Adobe Creative Cloud (Adobe)
- MORISAWA PASSPORT for iPad(モリサワ)
- mojimo(フォントワークス)
- DynaFont App(ダイナコムウェア)
- Font Diner(Font Diner社)
- fontinstall.app
fontinstall.appはSIL Open Font License (OFL)でライセンスされた日本語フリーフォントを集めて①フォントインストールアプリとしたもので、アプリに収録されているフリーフォントを無料で使用することが可能です。
②フォントプロファイルインストールアプリ
②フォントプロファイルインストールアプリとは
②フォントプロファイルインストールアプリとは、フォントメーカーから購入したフォントデータやフリーフォントのダウンロードサイトから入手したフォントデータをiPadにインストールするためのアプリです。
追加費用でアプリ内で用意されているフォントを使用できるものもあります(AnyFontなど)。
①フォントインストールアプリが開発される前から②フォントプロファイルインストールアプリは存在していました。
iPadOS13リリース前はiPadで組み込みフォント(iPad購入時にすでに入っているフォント)以外のフォントを使いたい場合は②フォントプロファイルインストールアプリを使用してフォントを追加するしかありませんでした。
インストールされたフォントデータは設定>一般>プロファイルに追加され、削除もここで行います。
代表的な②フォントプロファイルインストールアプリ
①フォントインストールアプリの開発背景
①フォントインストールアプリは2019年11月に発表されたiPadOS13の設定>一般>フォント機能を使用していると前述しました。
では設定>一般>フォント機能はなぜ開発されたのでしょうか。
それは旧来使用されてきたプロファイルインストールによるフォント追加(②フォントプロファイルインストールアプリのこと)はiPadが使用できなくなるなどの危険性があるため、ユーザーにやめさせたいというAppleの意向によるものです。
プロファイル(構成プロファイル)とは
そもそもプロファイル、正式には構成プロファイルとは何なのでしょうか。
iPadOSではiPadの各種設定(システム用、セキュリティ用、ユーザー個人用の設定など)がXML形式で記載されたファイルのことを構成プロファイルと呼びます。
構成プロファイルを使用すれば普通ならユーザーが設定できないような内容も設定できてしまうという点が今回の話のキモです。
ユーザーが気軽に構成プロファイルをインストールする危険性
構成プロファイルはiPadの設定を変更してしまうため、悪意のある構成プロファイルをインストールしてしまった場合にiPadの通信データを盗んだり、不正サイトへアクセスさせたり、カメラやマイクを使用不可にされたりする可能性があります。
フリーフォントとして配布されていたファイルが実はそういった悪意があるファイルであったというケースも想定されますので、Appleはユーザーが気軽にプロファイルをインストールするのをやめさせたいわけです。
②フォントプロファイルインストールアプリでしかフォントを追加できない状況を変えるために①フォントインストールアプリが出てきた、というのが開発の背景です。
フリーフォントが①フォントインストールアプリに収録されていく可能性は低い
では今後はフリーフォントはすべて①フォントインストールアプリになっていくのかというとそうはならない可能性が高いです。
フリーフォントの多くは個人が趣味で作っているものです。
①フォントインストールアプリとして配布するためには、アプリの開発や開発したアプリをApp Storeで配布するためのAppleの審査を通す必要があります。
フリーフォント作成者がお金と手間をかけてiPadユーザーのためだけにそこまでするかと言ったら大部分のフリーフォント作成者はしないでしょう。
よってフリーフォントをインストールするには今後も②フォントプロファイルインストールアプリを使用していくしかないと予想されます。
リスクを減らしてフリーフォントを利用するには
わたしたちはどのようにしたら安全に②フォントプロファイルインストールアプリを使用してフリーフォントを利用できるのでしょうか。
わたしの考える案としては以下3つです。
- 利用実績の多いフリーフォントのみを使用する
- フォントメーカーが配布しているフリーフォントを使用する
- あやしいフリーフォント配布サイトからはダウンロードしない
リスクを完全に回避したいならばフリーフォントを使用せず、組み込みフォントと①フォントインストールアプリに収録されているフォントを使用するしかありません。
まとめ
カスタムフォントはだいぶややこしいので今回の記事は少し難しい内容になってしまったと思います。
フォントは奥が深く、本シリーズもしばらく続きますので最後までお付き合いいただければ幸いです。