原稿の早い作家さんが「どうしてそんなに作業スピードが早いんですか?」とツィートなどで質問を受けて
「クリスタを見開きページで作業している」と答えていたりするのを見かけませんか。
クリスタの見開き機能を使用すると2ページを一度に作業できるため時短につながります。
また、本を開いたときのレイアウトの形でコマ割りができるため、視線誘導のテクニックを使用したり
読者にとって読みにくいコマ割りになってしまうことを回避することができます。
見開きで作業することのメリットはとても大きいので、
ぜひ使い方を習得してみてくださいね。
どういう人向けの記事か
こちらの記事はクリスタで漫画を描いている人向けに作業効率をアップするためのアイデアをお教えします。
初心者の方はぜひご紹介する方法を取り入れてクリスタを使い始めてください。
すでにクリスタはある程度使っているよという中級者以上の方にとっても有益な、まだ取り入れていないTipsかもしれません。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
記事を読んで得られること
手順自体はとても簡単なのでクリスタを持っている人ならば誰でも実行可能です。
クリスタでの原稿の仕方をちょっと普段のやり方から変えるだけで原稿を早く描けるようになる情報です。
早く描けるだけでなく原稿のクオリティをアップすることができます。
記事を読み終えるとどうなるのか
この記事を最後まで読むとちょっとした工夫で今までよりも速く・クオリティの高い原稿をクリスタで描けるようになりますよ。
[mokuji]
[ads]クリスタの見開きに変更機能を使用すると①2ページを同時に作業でき時短になる②印刷時のレイアウトを考慮したコマ割りができるので見栄えUP
- クリスタには見開きページを作成する機能があります。
- 見開きで作業をすると2ページを同時に扱えるため強力な時短になります。
- 見開きで作業をすると本として印刷されたときのイメージがつきやすいためコマ割りやレイアウトにかかる労力を削減できます。
見開きとは
通常、見開きは迫力をみせたいコマや強烈な印象を残したいページに使用します。
わたしたちは見開きを作成するためのクリスタの機能を作業効率UPのために使用するだけなので、既存の見開きの定義や使用用途に囚われる必要はありません。
見開きのメリット①2ページを同時に作業でき、時短になる
2ページ同時作業することがどうして時短になるの?と思われるかもしれません。
トーン貼りの場面を例に説明しますね。
例えば、肌色が60線10%のキャラが原稿内にいたとします。
1ページずつトーンを貼っていた場合は1ページごとに60線10%のトーンレイヤーを作成する必要がありますが、見開きで作業した場合2ページを1つの60線10%レイヤーで処理することができるようになります。
レイヤー作成以外にもツールを切り替える時間も削減できます。
小さな時短のように思われるかもしれませんが、その時短が×(かける)レイヤー数、×(かける)ページ数で積み上がるとトータルで大きな時短に繋がります。
今回の見開きの内容とは別になりますが、レイヤーテンプレートであらかじめ60線10%のトーンレイヤーを作成しておけば更に時短になります。
60線10%とは
○線△%はトーンの線数と濃さを表しています。
60線10%はどういうことかというと、1インチ(2.54cm)の中に60本の線を等間隔で引いたとして、その線の上に黒い点が配置されていて、点の大きさは全体の10%だと言う意味です。
線数が多いほどきめ細やかに、%が多いほど黒くなっていきます。
ただし線数が多い、%が多いほど印刷時にきれいに出力されず真っ黒で印刷される可能性が高くなります。
余談ですが、デジタルで漫画を描くことが普及する前の紙原稿で漫画を描くのが普通だった時代、60線10%のトーンを61番と読んでいました。60線20%は62番です。
これは有名なトーンメーカーの品番がそのような名称だったからです。
61番が肌の影を付けるときの定番だという情報がネットにはありますが、決めつけにとらわれずに自分の絵柄や表現方法にあったトーンを選んでくださいね。
見開きのメリット②印刷時のレイアウトを考慮したコマ割りができるので見栄えUP
出来上がった漫画原稿で印刷物を作るときは刷り上がりをイメージしてコマ割りをした方が効果的です。
ページの左右やコマの配置場所によって読者に印象を強く与えられるコマや逆に読み飛ばされやすいコマがあります。
そのような視線誘導のテクニックを使用するときは見開きで作業をした方がやりやすいです。
見開きで作業すると見開きページ全体を俯瞰できるため印刷時の全体感を把握しやすくなります。
1ページずつ作業をして原稿が完成し刷り上がりの本を確認したら、一方のページはコマの密度も描き込みもすごいのにもう一方のページは時間がなくてスカスカだった・・という事態を回避できます。
見開きのデメリット 特になし
デメリットは特にないです。
ただ、見開き設定を間違えて原稿を完成させてしまうと塗りたしが足りなくなってしまったということは起こります。
不安な場合は見開き設定を行った後に簡単に絵を描いてみてページごとに出力し、塗り足しまでキチンと出力されているかを確認すると良いでしょう。
見開きの設定の仕方
クリスタで見開きを設定する手順を実際のクリスタの画面を使用して説明したいと思います。
- 原稿ファイル作成時にレイヤーテンプレートを設定して作成した場合の設定方法を記載します。
- レイヤーテンプレートを設定していない場合は1〜3の手順で終了です。
- 見開きにしたいページを開きます。
2. ページ管理>見開きに変更をクリックします。
3. 「トンボを合わせる」にチェックを入れ、間隔は「 0.00mm」を入力し、決定をクリックします。
注意点
「トンボを合わせる」設定後は塗りたし部分(トンボの外側の部分)があることを確認してください。
塗りたし部分は印刷して裁断する際に切り落とされてしまう部分ですが、裁断ズレが発生した場合にここに何も描かれていないと見た目が悪くなってしまいます。
4. 見開きにするとレイヤーテンプレートで設定したレイヤーが2ページ分まとまってしまいます。1ページ分のレイヤーを削除します。
5. 残ったレイヤーの一番上にレイヤーマスクがあるので削除します。
レイヤー>レイヤーマスク>マスクを削除
6. ファイル>保存で保存します。
7. 1〜6を見開きページ分繰り返します。
表紙(裏)と裏表紙(裏)は見開きにしなくてOKです。理由は表紙2、3印刷オプションを印刷所にお願いしている場合は除いて普通は印刷しないところだからです。
8. 全ページの原稿作成完了後、ファイル>複数ページ書き出し>一括書き出しの「見開きページを分けて書き出す」にチェックを入れて出力してください。
まとめ
見開きでの作業はすぐに実践できるアイデアだから実際に使ってみてくださいね。